アメリカのトランプ大統領は、日本の自動車にかける関税について、引き下げに応じない姿勢を改めて示しました。世界各国が注目する「相互関税」の発動期限が迫る中、日米貿易交渉における自動車関税を巡るアメリカ側の強硬な態度は変わらず、両国の溝は埋まっていません。
米トランプ大統領の「相互関税」発言
トランプ大統領はFOXニュースの番組に出演し、「親愛なる日本様、日本は車に25%の関税を課されます。こういう手紙を送ることもできる」と発言しました。これは、各国に対して一方的に関税率を通告し、交渉を打ち切る可能性を示唆したものです。大統領は4月、「相互関税」の発動を一旦90日間停止しましたが、その期限は来月9日に迫っています。各国が交渉を急ぐ中、大統領は「(一時停止の)延長の必要はないだろう。手紙を送る。それで交渉は終わりだ」と述べ、強硬姿勢を崩しませんでした。
トランプ米大統領がFOXニュース番組で発言、日米自動車関税への言及
対日自動車関税への強硬姿勢
さらにインタビューの中で、トランプ大統領は日本に対する長年の不満を改めて表明しました。「日本はアメリカの自動車を受け入れないのに、アメリカは何百万台もの日本車を受け入れている。不公平だ」と述べ、日本が求めてきた25%の自動車関税引き下げには応じない考えを示しました。大統領は「アメリカの自動車メーカーは、国内での販売で大忙しになる」と強調し、自国の自動車産業保護を優先する姿勢を鮮明にしました。
日本側の交渉状況と課題
一方、日本側は赤沢経済再生担当大臣が4月から頻繁に訪米を重ね、アメリカ側との溝を埋めようとしていますが、交渉は難航しています。初回の交渉ではトランプ大統領との会談も実現し、笑顔も見られましたが、今回の7回目の訪米では、ラトニック商務長官とは初日に会談したものの、その後は電話での協議にとどまっています。また、交渉役の中心とみられるベッセント財務長官とは会談できぬまま、30日に帰国しました。
赤沢経済再生担当相、日米貿易交渉の状況について言及
交渉の行方と不透明感
赤沢大臣は帰国後、交渉について「パッケージとして合意できる状況にまだなってない。協議も思うように日程調整がつかなかったり、そういうことも含めて五里霧中だ」と述べ、交渉の進展が見られない現状を認めました。日本政府は引き続き合意を目指して協議を続けるとしていますが、「相互関税」の発動まで残された時間はあと9日。両国の主張の隔たりは大きく、交渉の先行きは依然として不透明なままです。
日米間の自動車関税を巡る対立は解消されておらず、トランプ政権の強硬姿勢が交渉を難航させています。迫りくる「相互関税」の期限までに両国が合意に至るか、あるいはアメリカが一方的な措置を発動するのか、その行方が注目されています。日本としては粘り強く協議を続ける構えですが、状況は予断を許しません。
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