政府・与党は9日、トランプ米大統領による相互関税の発動を受け、企業や国民生活への影響を緩和するための経済対策を取りまとめる方向で調整に入った。
物価高も見据え、与党は国民一律に3万円以上を給付する案を軸に検討。今国会中の2025年度補正予算案の提出も視野に入れる。夏の参院選を意識して野党も対策を求めており、後半国会の大きなテーマとなってきた。
自民党の小野寺五典政調会長は9日、視察先の群馬県太田市で記者団に対し、相互関税を踏まえた経済対策について林芳正官房長官から「党として考え方を早めにまとめてほしい」と要請されたと説明。「経済不安が国内景気に及ぼす影響を分析する必要がある。政府・与党で議論を進めたい」と語った。
小野寺氏は視察に先立ち、公明党の岡本三成政調会長と国会内で会談し、経済対策について意見交換。岡本氏は同日の記者会見で、一律給付案について「もちろん選択肢だ」と言明した。
給付の規模に関し、自民幹部は物価高の影響も勘案して「3万5000円~4万円程度」とする試算を明らかにした。「なるべく早くやらないといけない」とも指摘。今国会で財源の裏付けとなる補正予算案の成立を目指す考えを示唆した。