山口組分裂抗争終結宣言:六代目体制の行方と七代目への展望

六代目山口組が抗争終結を宣言し、今後の組織の動向に注目が集まっています。10年にも及んだ分裂抗争は終結へと向かうのでしょうか。愛知県豊橋市で行われた緊急会合の様子や、今後の七代目体制への展望について深く掘り下げていきます。

稲川会主導の終結工作と六代目山口組の動き

今回の抗争終結の背景には、稲川会による終結工作があったとされています。稲川会は全国の暴力団組織に幹部を派遣し、終結への同意を取り付けるべく奔走していました。3月には稲川会の内堀和也会長と六代目山口組ナンバー2の高山清司若頭が会談を行い、4月には住吉会トップの小川修司会長も同席する形で会談が行われたことが報じられています。

六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)

これらの会談を経て、4月7日には高山若頭と竹内照明若頭補佐が稲川会会館を訪問し、内堀会長、小川会長と再び会談。さらに、六代目山口組ナンバー3の森尾卯太男本部長らが兵庫県警本部を訪れ、「宣誓書」を提出しました。宣誓書には、抗争相手の神戸山口組、池田組、絆會らとの抗争を終結すること、そして一般市民への謝罪が記されていたとされています。

豊橋での緊急会合と高山若頭の言葉

六代目山口組は抗争終結宣言と同時に、直参組長らに緊急招集をかけました。翌8日、愛知県豊橋市の傘下組織事務所で緊急会合が開催されたのです。「体調が悪かろうが這ってでも来るように」という異例の通達が出され、七代目体制に関する発表があるのではないかという憶測も飛び交いました。

会合には、高山若頭を筆頭に執行部11人が出席。司忍組長の姿は確認されませんでした。会合は約20分で終了し、抗争終結の理由説明などはなかったものの、高山若頭は「六代目山口組は前進あるのみ」と力強く宣言しました。

緊急会合を終え、事務所から出てくる山口組幹部緊急会合を終え、事務所から出てくる山口組幹部

七代目体制への展望と組織の課題

今回の緊急会合では新人事の発表はありませんでしたが、今後の七代目体制への関心は高まっています。暴力団のルールに則れば、七代目は高山若頭が継承するとされていますが、高齢であることや健康状態が懸念されています。

さらに注目されるのが、七代目体制における若頭の選出です。竹内若頭補佐が有力視されていますが、司組長、高山若頭と同じ弘道会出身であることから、組織内での不満が高まる可能性も懸念されています。神戸山口組の分裂も、弘道会中心の体制への反発が原因の一つであったことから、再分裂を防ぐためにも、司組長の決断に注目が集まります。

今後の山口組の動向

六代目山口組は抗争終結を宣言しましたが、神戸山口組側の反応はまだ明らかになっていません。今後の動向を注視していく必要があります。また、新体制への移行に伴う組織内の力関係の変化や、他の暴力団組織との関係性など、多くの課題を抱える山口組の未来は、依然として不透明な状況です。