大阪万博で月の石を展示!中国の宇宙開発の野望

中国が大阪・関西万博で月の石を展示することを発表し、宇宙開発における存在感を改めて示しました。月の表側と裏側で採取された貴重な石のかけらが一般公開される予定です。日本と米国もそれぞれ火星と月の石を展示予定で、3カ国による宇宙開発の成果を競う場となるでしょう。

中国、月の石展示で存在感アピール

中国国際貿易促進委員会(国貿促)の李慶霜副会長は、中国館の目的を「イノベーションの発展をリードする中国のたゆまぬ努力を紹介すること」と説明しました。中国は2020年に無人探査機「嫦娥5号」で月の表側の石を、2023年には「嫦娥6号」で世界初の月の裏側の石の採取に成功し、地球に持ち帰りました。万博では、これら2つの石を間近で見比べることができ、中国の宇宙開発における技術力の高さを世界にアピールする絶好の機会となるでしょう。

月の裏側で採取された石月の裏側で採取された石

日米も宇宙の石を展示、3カ国が競演

日本館では、日本の南極観測隊が発見した世界最大級の「火星の石」が展示されます。火星からの隕石は地球上でも極めて希少であり、日本の宇宙科学研究の成果を象徴するものと言えるでしょう。また、米国館では、アポロ17号が1972年に月から持ち帰った石が展示されます。アポロ計画は人類の月面着陸という偉業を成し遂げた象徴的なミッションであり、その歴史的価値は計り知れません。

各国の宇宙開発戦略とは?

宇宙開発は国家の威信をかけた一大プロジェクトであり、各国の戦略も異なります。中国は近年、有人宇宙飛行や月探査など積極的な宇宙開発を進めており、宇宙強国としての地位確立を目指しています。日本は国際協力や科学探査を重視し、火星探査計画や小惑星探査などで成果を上げています。米国は民間企業との連携を強化し、月への有人探査再開や火星探査など、新たな挑戦を続けています。今回の万博は、各国の宇宙開発戦略を比較検討する貴重な機会となるでしょう。

中国、巨大パビリオンで「大国」アピール

中国は今回、約3500平方メートルという国・地域別で最大級のパビリオンを建設しました。日系企業関係者からは、米国との対立が深まる中、「大国」中国としての存在感を世界に示す狙いがあると分析されています。また、中央政府や地方政府は万博に合わせて経済使節団を日本に派遣する予定で、経済交流の促進も視野に入れていると考えられます。

中国の宇宙開発の進展は目覚ましく、月の石の展示は、その象徴的な出来事と言えるでしょう。大阪・関西万博は、宇宙開発の未来を垣間見る絶好の機会となるに違いありません。