鳥羽市長選、波乱の展開で幕を閉じました。現職と新人の2人に自民党が推薦を出すという異例の状況下、元教師の小竹篤氏(69)が新市長に選出されました。保守分裂の余波を受け、自民推薦の2候補は共倒れという結果に。一体何が起きたのでしょうか?詳しく見ていきましょう。
自民党、異例のダブル推薦で波紋
今回の鳥羽市長選は、元市教育長の小竹氏の他、元市議の山本哲也氏(46)と現職の中村欣一郎氏(66)が立候補。自民党三重県連は、異例の山本氏と中村氏の両名に推薦を出すという決断を下しました。
この決定は、地元の鳥羽市支部と衆院選第4選挙区支部からの推薦申請を県連がそのまま受理したことが発端。県連内では「市長選で2人に推薦はあり得ない」「地元のエゴではないか」と批判の声も上がっていました。しかし、最終的には現地の意向を尊重する形で、田村憲久県連会長も承認したとのこと。
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選挙前から、このダブル推薦に対する懸念は広がっていました。県連関係者からは「本来は地元で1人に絞るべき」「共倒れの可能性もある」といった声が上がっていたのです。実際、地方では学校の先生は名士として知られ、選挙に強い傾向があります。小竹氏も元教師という経歴を持つことから、この点が有利に働いた可能性も否定できません。
開票結果:小竹氏圧勝、自民推薦候補は苦杯
4月14日に行われた開票の結果、小竹氏は4169票を獲得し、山本氏(2884票)、中村氏(2459票)を抑えて圧勝。自民推薦の2候補は、獲得票数を合わせても小竹氏に及ばず、共倒れという結果に終わりました。
落選した中村氏は「争点が不明瞭だった」と敗因を分析。山本氏は推薦について特に言及しませんでした。
保守分裂の責任はどこに?
鳥羽市支部の野村保夫支部長は「自民党が分裂したことが敗因の一つかもしれない」と悔しさをにじませました。一方、県連の中嶋年規幹事長は「自治体の選挙は人物本位。推薦が割れたこととは無関係」と主張。責任の所在をめぐり、意見の相違が見られます。
過去の事例として、2016年の志摩市長選でも自民党は2人に推薦を出し、元職が当選しています。志摩市も鳥羽市と同じ三重4区に属しており、今回の選挙結果と比較すると興味深い点です。
今後の鳥羽市政は?
小竹新市長は、どのような市政運営を行うのでしょうか?市民の期待を背負い、鳥羽市の未来を担う重責を担います。今後の動向に注目が集まります。