健康食品やサプリメントは、手軽に健康をサポートしてくれるイメージがありますが、実は思わぬリスクも潜んでいます。2024年の小林製薬の紅麹サプリによる健康被害は、その危険性を改めて私たちに突きつけました。本記事では、薬学博士の畝山智香子氏の著書『サプリメントの不都合な真実』(筑摩書房)を参考に、サプリメントのリスクと賢い選び方について解説します。
あなたの健康食品、大丈夫?リスクを見極めるポイント
健康食品は、普通の食品と比べてリスクが高い場合があります。その理由は様々ですが、製品選びの際に注意すべきポイントを理解しておくことが大切です。
1.成分の過剰摂取に注意!
「ひと粒にシジミ100個分!」といった魅力的なキャッチコピーを目にしますが、ちょっと待ってください。普段の食事で、一度にそんなに大量のシジミを食べるでしょうか?サプリメントの中には、通常の食生活では考えられない量の特定成分を摂取することになる製品が存在します。過剰摂取は体に思わぬ負担をかける可能性があります。栄養バランスのとれた食事を心がけ、サプリメントで補うのはあくまで補助的にとどめておくのが賢明です。
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2.毎日摂り続けるリスク
毎日同じ食品ばかり食べ続けると、栄養バランスが偏ったり、飽きてしまうことがありますよね。健康食品も同様で、長期間にわたる特定成分の過剰摂取は、健康への悪影響を引き起こす可能性があります。特に、定期購入を推奨する商品は、継続的な摂取を前提としているため注意が必要です。
3.摂取量とリスクの関係
毒性学の基本原則として、「摂取量が多ければ多いほど、有害影響が出る可能性が高くなる」というものがあります。食品の摂取量は、通常体重1kgあたり1日あたりの摂取量で表されます。例えば、毎日摂取するサプリメントの場合、1日あたりの摂取量は少なくても、日々の積み重ねで総摂取量は大きくなります。小林製薬の紅麹製品のケースのように、通販での定期購入を勧めて毎日摂取することを想定した製品は、特に摂取量の管理に気を配る必要があります。
例えば、管理栄養士の山田花子さん(仮名)は、「サプリメントはあくまで補助的なもの。基本はバランスの良い食事から栄養を摂ることが大切です。特定の栄養素に偏ることなく、様々な食品をバランスよく摂取しましょう」とアドバイスしています。
サプリメントとの賢い付き合い方
健康食品は、正しく使えば健康維持に役立つ可能性がありますが、そのリスクも理解しておく必要があります。成分表示をよく確認し、過剰摂取にならないよう注意しましょう。また、持病がある方や妊娠中の方は、医師や薬剤師に相談してから使用するようにしましょう。
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サプリメントは魔法の薬ではありません。健康な生活を送るためには、バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠など、基本的な生活習慣を大切にすることが重要です。サプリメントに頼りすぎることなく、自分の体と向き合いながら、健康管理に取り組んでいきましょう。