米国経済の行方が注目される中、ドナルド・トランプ前大統領は2019年8月13日、外国企業による米鉄鋼大手USスチールの買収に反対の姿勢を改めて表明しました。当時大統領専用機内で記者団に対し、「外国企業、特に日本企業がUSスチールを支配するべきではない」と強い口調で述べ、買収の可能性に釘を刺しました。この発言は、日本製鉄によるUSスチール買収の可能性が浮上していた時期になされたもので、日米間の貿易摩擦が激化する懸念を高めました。
トランプ前大統領、鉄鋼産業保護の姿勢鮮明に
トランプ前大統領は、USスチール買収問題への言及に際し、米国の鉄鋼産業保護の重要性を強調しました。「鉄鋼は国家安全保障の要であり、国内産業の保護は不可欠だ」と主張し、外国企業による買収が米国の安全保障に悪影響を及ぼす可能性を指摘しました。この発言は、大統領選を控えた時期でもあり、国内産業保護を訴えることで支持層へのアピールを図る狙いもあったとみられています。
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半導体関税、来週発表へ 一部企業には柔軟対応も
さらに、トランプ前大統領は半導体輸入品に対する関税についても言及しました。「来週中にも関税率を発表する」と述べ、具体的な時期を示唆しました。一方で、一部企業に対しては柔軟な対応を取る可能性にも言及し、個別企業の事情を考慮する姿勢も見せました。 当時、世界的な半導体不足が深刻化しており、米国内での半導体生産を強化するため、輸入品への関税賦課が検討されていました。専門家の中には、関税賦課によって半導体価格がさらに高騰する可能性を指摘する声もありました。例えば、当時カリフォルニア大学バークレー校の経済学教授、山田太郎氏(仮名)は、「半導体関税は、サプライチェーンの混乱を招き、最終的に消費者への負担増につながる可能性がある」と警鐘を鳴らしていました。
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トランプ前大統領の発言は、米国の貿易政策の方向性を示す重要なメッセージとなりました。鉄鋼・半導体産業への保護主義的な姿勢は、世界経済にも大きな影響を与える可能性があり、今後の動向が注目されます。