がん情報との格闘:現代社会における情報入手の難しさ、そして私の闘病体験

現代社会において、情報は溢れかえっています。何かを知りたいと思ったら、すぐにインターネットで検索すれば、大抵のことは分かります。しかし、私ががんと診断された時、その常識は覆されました。必要な情報になかなか辿り着けない、そんなもどかしさを経験したのです。今回は、私の闘病体験を通して、がん情報との格闘、そして情報入手の難しさについてお話ししたいと思います。

すべては足の付け根のしこりから始まった

ある日、突然足の付け根にしこりができました。初めはSSサイズの卵ほどでしたが、みるみるうちに腫れ上がっていきました。近所の総合病院で抗生剤を処方してもらい、腫れは引いたものの、念のため病理検査に出したところ、「転移がん」が見つかったのです。

足の付け根のしこりのイメージ足の付け根のしこりのイメージ

全くの無症状、自覚症状もありませんでした。抗生剤で腫れが引いたので、あとはしこりの切除だけで済むと思っていた矢先の、まさかの宣告でした。形成外科の診察室の隣の処置室でほんの少し採取した肉片にがんがあるとは夢にも思っていませんでした。形成外科でがんの宣告を受けるなんて、想定外も甚だしい。

そこから原発の可能性として婦人科を受診し、さらに大学病院を紹介され、私の がん患者としての旅が始まったのです。

情報の海で溺れる:がん情報との格闘

普段なら何でもインターネット検索で解決する私ですが、「がん」に関しては、ネガティブ情報や民間療法、有名人のヘアレス写真ばかりが目につき、本当に必要な情報になかなか辿り着けませんでした。インターネットでいくらでも情報が集められる時代なのに、がんに関する情報入手がこれほど難しいとは、想像もしていませんでした。

例えば、抗がん剤から髪を守る方法があることすら、投与の前日まで知りませんでした。それまでは脱毛も副作用も覚悟していたのです。がんの疑いから、CT、MRI、外部専門クリニックでの検査を経て、2、3週間の間にドクターと病院を決定。仕事も休まず、自分でもかなりスピーディーに動いたと思います。

その後、さらなる検査と腹腔鏡による検査手術で卵管がんと確定し、2回目の手術ですべての患部を摘出しました。ひとり身の私は感傷に浸る間もなく、ただただがん治療のタスクをこなしていく日々でした。

抗がん剤治療:不安と闘いながら

次のステップは、3週間に1度、計6回の抗がん剤投与でした。抗がん剤に関する冊子をもらい、脱毛についても医師から説明を受けました。「今まで好き勝手に生きてきた罰なのか、前世の行いが悪かったのか、バチが当たったのか…まぁ、生きているだけマシか」と、自分を慰めるしかありませんでした。

がんの情報収集の難しさ、治療への不安、様々な感情が入り混じる中、私は前を向いて闘病生活を送ることを決意しました。

希望を持って未来へ

がんとの闘いは、決して楽なものではありません。しかし、情報収集の難しさや治療の不安を乗り越え、希望を持って未来へ進んでいくことが大切です。私自身の経験が、少しでも同じようにがんと闘っている方々の力になれば幸いです。