出前館の「名義貸し不正」が話題だ。
5月15日付のNHKニュースによると、フードデリバリーアプリ「出前館」の配達員アカウントを不正に外国人に渡した疑いがあるとして、都内の会社役員ら4人が逮捕された。
【画像】成りすまし防止のため、ウーバーでは顔認証を求められるが
配達員として登録できる外国人は就労資格のある人に限られているが、同容疑者らは一昨年、SNSで募集した日本人に配達員のアカウントを作らせ、就労資格のないウズベキスタン人ら150名以上に「名義貸し」を行っていたとみられている。
警察庁によると、いずれも容疑を認めているそうだ。
■名義貸しの「中抜きビジネス」の実態
これまでの調べで、配達員が得た報酬のうち、月に2万円が名義を貸した日本人に。1万円が仲介役に支払われていたという。同日付の産経新聞の報道によると、5400万円以上の報酬を得ていた疑いがあるようだ。
ネットのコメント欄には「中抜きビジネス」「ウーバーでもありそう」「氷山の一角」といった声が寄せられている。一部の人からは「明らかにプロフィールと違う人が自分のとこにも来たことある」「フードデリバリーを使わないことが不法移民対策になる」といった声も散見される。
同報道を受け、出前館は公式ホームページにて謝罪。同内容の不正を検知して以来、顔認証など必要な対策を講じてきたことを表明した。
出前館配達員として直近2カ月間で約200件、ウーバー配達員としては5年間で7200件以上、フードデリバリーの配達をこなしてきた私は、今回の報道を見たとき「あの面倒な顔認証には不正利用を防ぐ目的があったのか!?」と納得させられた。
出前館でもウーバーでも、配達員は稼働前、顔認証を行わなければならない「場合」がある。
■実際に行われている顔認証の方法
顔認証はスマホの内カメラを使って行う(ウーバーは写真撮影のみ。出前館はこの作業に加え、顔をカメラに近づける「動作」も行うよう指示される)。
例えば、夜間の屋外で撮影する場合は暗がりのため、顔認証のやり直しを求められるケースは少なくない。よって撮影は明るい場所で行う。諸々の作業によりロスする時間は、おおよそ30秒未満といったところか。
短時間とはいえ、正直に申し上げて、面倒な作業だと私は感じていた。なぜなら、これらの作業に賃金は発生しないから。