自民党幹事長時代に自転車事故で大けがを負い、政界引退した谷垣禎一元総裁(74)が秋の叙勲受章を機に、産経新聞などのインタビューに応じた。野党時代に党を率い、熾烈(しれつ)な党内抗争も経験してきた谷垣氏。インタビューでは、歴代最長となった安倍晋三政権への思いや後進の政治家への助言がこぼれた。
長期政権の工夫を
「日本は短期間で総理が替わることを多く経験してきた。今、国際政治が大きな転換期に入っている。安定した政権を持ち、リーダーシップのある立場で臨まなければならない。安倍さんのもとで長期政権が続いているのは望ましい」
自国第一主義を訴えるトランプ米政権や米中貿易紛争、欧州連合(EU)の停滞など国際情勢が激動する中、谷垣氏は安定した長期政権の必要性を訴える。
平成24年9月の党総裁選で、当時総裁だった谷垣氏は不出馬に追い込まれた。党幹部の石原伸晃幹事長(当時)が出馬の構えを見せ、出身派閥である古賀派(宏池会)の古賀誠会長(同)も谷垣氏の立候補に反対したためだ。
最終的に総裁選は安倍氏が制し、民主党から政権を奪還。現在まで約7年続く長期政権になった。谷垣氏は第2次安倍内閣で法相を務め、その後、党幹事長として首相を支えた。現在は政界を離れた立場からこうアドバイスする。