日本の高校医学部合格者数ランキング:公立校、国立校でトップは?

医学部進学を目指す高校生にとって、志望校選びは重要なポイントです。今回は、大学通信の調査データに基づき、医学部医学科への現役合格者数が多い高校ランキング、そして医学部人気の現状について解説します。

公立高校ランキング:東北、東海、北海道の高校が上位に

公立高校の医学部医学科現役合格者数ランキングでは、仙台第二高校(宮城県)が30人で堂々の1位を獲得しました。続いて岐阜高校(岐阜県)が24人、札幌南高校(北海道)と藤島高校(福井県)が23人で3位という結果です。これらの高校は、それぞれ東北大学、岐阜大学、札幌医科大学、福井大学への合格者数が最も多く、地元の大学への進学実績が高いことがわかります。特に仙台第二高校は現役合格率9.5%と、公立高校でトップの数字を誇っています。

仙台第二高校の校舎仙台第二高校の校舎

都立高校では日比谷高校が唯一トップ10入りを果たし、札幌北高校(北海道)、秋田高校(秋田県)と並んで7位にランクインしました。日比谷高校の現役合格者数は18人です。一方、札幌北高校は前年比10人増の18人と大きく躍進しました。

大学通信情報調査・編集部部長の井沢秀さんは、上位校の共通点として「地元大学への合格実績を重視し、長年の指導ノウハウを蓄積している」点を挙げています。医学部進学を目指す生徒が集まり、実績が積み重なるという好循環が生まれているのです。

国立高校ランキング:広島大附、筑駒が上位を占める

国立高校では、広島大学附属高校が19人で1位、筑波大学附属駒場高校が18人で2位、筑波大学附属高校が14人で3位となりました。筑波大学附属駒場高校は浪人合格者を含めると28人が医学部に合格し、そのうち15人が東京大学理科III類に合格しています。同校の現役合格率は11.5%と、国立高校でトップです。

ランキング入りした8校のうち、前年比で現役合格者数が増加したのは広島大学附属高校(9人増)のみでした。

医学部人気は落ち着きを見せる?今後の動向は?

近年の医学部志願者数の減少は、共通テストの平均点上昇による受験見送りなどの影響があったとされています。コロナ禍収束後、医学部人気は落ち着きを見せているように見えますが、18歳人口の増加を考えると、本来は志願者数が増加してもおかしくない状況です。

井沢さんは、生徒の将来の選択肢が多様化したことが要因の一つと分析し、今後の医学部人気の動向に注目しています。医学部進学を目指す高校生は、最新の情報を収集し、自身の将来設計に合わせて慎重に志望校を選択することが重要です。