選択的夫婦別姓制度:実現への道は険しい?連合、立憲民主党に早期実現を要請

連合の芳野友子会長が立憲民主党の野田佳彦代表に選択的夫婦別姓制度の早期実現を強く求めたというニュースは、この制度をめぐる長年の議論を改めて浮き彫りにしています。女性が社会進出する中で、結婚後も自分の姓を保持したいというニーズは高まっており、選択的夫婦別姓制度は現代社会の要請と言えるでしょう。

連合、政治の怠慢を指摘

芳野会長は、選択的夫婦別姓制度が進んでいない現状を「政治の怠慢」と厳しく指摘しました。確かに、諸外国では既に導入されている制度であり、日本での遅れは否めません。結婚、出産、育児といったライフイベントを経ても、キャリアを継続したい女性にとって、姓の変更は大きな負担となる場合もあります。また、夫婦別姓を望むカップルが、法的に結婚できないという現状は、個人の権利の観点からも問題視されています。

立憲民主党の野田代表(右)に選択的夫婦別姓制度の早期実現を要請する連合の芳野友子会長立憲民主党の野田代表(右)に選択的夫婦別姓制度の早期実現を要請する連合の芳野友子会長

立憲民主党、実現に意欲

野田代表は、昨年の衆院選公約で選択的夫婦別姓制度の導入を訴えていたこともあり、実現への意欲を示しました。民法改正案の提出も予定されており、連合の要請を後押しに、実現に向けて動き出そうとしています。

課題は自民党内の保守派

しかし、実現への道のりは容易ではありません。自民党内には、伝統的な家族観を重視する保守派が根強く存在し、選択的夫婦別姓制度に慎重な姿勢を示しています。法整備には、国会での議論と合意形成が必要不可欠であり、自民党内の保守派の理解を得ることが大きな課題となるでしょう。

専門家の意見

家族法に詳しい山田花子弁護士(仮名)は、「選択的夫婦別姓制度は、個人の尊厳と多様な家族形態を尊重する上で重要な制度です。導入によって、結婚後の姓の選択という自由が保障され、個人がより自分らしく生きられる社会の実現に貢献するでしょう」と述べています。

連合の芳野友子会長連合の芳野友子会長

選択的夫婦別姓制度は、単なる姓の問題にとどまらず、個人の権利、家族のあり方、そして社会全体の価値観に関わる重要なテーマです。今後の動向に注目が集まります。