160万円の壁?いや、110万円の壁!主婦が語る税制改正の裏側

「103万円の壁」撤廃!ついに働き方改革が実現?と思いきや、現実はそう甘くないようです。今回は、税制改正で注目された「103万円の壁」の撤廃が、実際の家計にどう影響しているのか、主婦のリアルな声を通して探っていきます。

税制改正で変わったこととは?

2025年度の税制改正では、所得税の基礎控除額と給与所得控除の最低額が引き上げられました。これにより「103万円の壁」は最大160万円まで引き上げられ、パートやアルバイトで働く人の負担軽減が期待されていました。

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現実の壁は110万円?主婦のリアルな声

近畿地方在住の成田喜美子(仮名)さんは、3人の子供を育てる主婦。パートで家計を支える傍ら、収入は110万円を超えないよう調整しています。160万円でも123万円でもなく、なぜ110万円なのでしょうか?

成田さんは、「うちは住民税非課税世帯なんです。これには大きなメリットがあるんですよ」と話します。

住民税非課税世帯のメリットとは

元国税調査官で税理士の松嶋洋氏によると、住民税非課税世帯には様々な優遇措置があります。例えば、コロナ禍での給付金、自治体による就学支援、大学の授業料減免など、年間100万円以上の恩恵を受けるケースもあるといいます。

成田さんも、これらの支援を受けるために住民税非課税世帯を維持したいと考えています。「子育てが終わるまでは、この恩恵を手放すわけにはいかないんです」と成田さんは語ります。

なぜ夫の年収400万円で住民税非課税?

成田さんの夫は建設会社に勤務し、年収は400万円弱。日本の平均年収に近いにもかかわらず、なぜ住民税非課税なのでしょうか?

松嶋氏によると、住民税は所得税とは異なり、給与所得控除の最低額の引き上げが10万円にとどまっていることが原因とのこと。住民税の非課税限度額は45万円なので、結果的に「110万円の壁」が依然として存在しているのです。

新しい壁への対応策は?

政府の目指す「働き方改革」を実現するためには、住民税における控除額の見直しも必要かもしれません。今後、より多くの世帯が安心して働ける環境が整備されることを期待したいですね。

まとめ

税制改正によって「103万円の壁」は確かに撤廃されましたが、住民税における「110万円の壁」は依然として存在しています。特に子育て世帯にとっては、住民税非課税世帯のメリットが大きく、収入調整の必要性は変わらないようです。真の働き方改革を実現するためには、こうした現状を踏まえた更なる制度の見直しが必要となるでしょう。