香港、学生ら1100人排除 行政長官「暴力停止」求める 邦人男性逮捕





香港理工大に立てこもる若者を支援し、集結した市民らと警戒する警官隊=19日、香港(共同)

 【香港=藤本欣也】反政府デモが続く香港では18日から19日未明にかけて、若者らが立てこもる香港理工大の周辺で警官隊とデモ隊が衝突を繰り返した。香港警察は19日、同大とその周囲で強制排除されたか自主的に投降した若者らが計約1100人に上ったと発表した。

 一方、香港政府トップの林鄭月娥(りんてい・げつが)行政長官は19日の記者会見で、24日の区議会(地方議会)選を予定通り実施するかについて明言を避けた。林鄭氏は「公平、公正、安全な選挙の実施を望んでいる」としつつ、「主導権は政府にない」と述べ、デモ隊に「暴力の停止」を求めた。

 香港では、香港理工大と周辺で警官隊と若者らが激しく衝突するなど混乱が拡大。当局が投票の安全問題を理由に、区議会選を中止・延期する可能性が取り沙汰されている。区議会選をめぐっては、反政府デモの影響を受けて民主派勢力の躍進が予想されている。

 香港メディアによると、警察当局が18歳未満の中高校生を拘束しないと約束したのを受け、19日朝までに少なくとも約200人の中高生が理工大を出た。立てこもりを続けているのは約100人とみられている。

 また、反政府デモに関連して東京農大の学生、井田光さん(21)が警察に逮捕されていたことが19日、分かった。在香港日本総領事館の関係者によると、井田さんは観光目的で香港入りし17日、デモの様子を見るため理工大周辺に行って逮捕されたという。



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