作家・森永博志氏、75歳で逝去。「ドロップアウトのえらいひと」など自由な生き方を貫く

編集者、そして作家として「POPEYE」「月刊PLAYBOY」など数々の雑誌を手がけ、自由な生き方を体現した森永博志氏が、4月23日、75歳で亡くなったことが、甥であるファッションデザイナーの森永邦彦氏のInstagramで発表されました。

孤独死ではなく、孤立死。波乱に満ちた人生

森永博志氏は横浜・伊勢佐木町の自宅で亡くなっているのが発見され、死後数日が経過していたとのこと。身元確認の手がかりとなったのは、行きつけの喫茶店の情報だったといいます。森永邦彦氏は、伯父の死を「孤独死ではなく、孤立死」と表現。誰からも看取られることなくこの世を去ったものの、博志氏は孤独ではなく、常に周囲に友や仲間がいたと語っています。

森永博志さん(2015年4月撮影)森永博志さん(2015年4月撮影)

ベストセラー作家、そして永遠の不良少年

「ドロップアウトのえらいひと」「原宿ゴールドラッシュ」などのベストセラー作品で知られる森永博志氏。型破りで自由な生き方を実践してきた人生は、まさに「ドロップアウト」という言葉がぴったりです。高校3年生でローリング・ストーンズに衝撃を受け、家出。肉体労働をしながら放浪し、20代半ばで編集者、30代半ばで作家へと転身しました。失踪癖があり、森永家との連絡を30年以上絶っていた時期もあったといいます。

常に「脱俗」を求めて

森永邦彦氏によれば、博志氏は常に「脱俗」を求め、修行僧のように生きていたとのこと。生前、「今は、修行の、次元アップで、完全に、脱俗中」という走り書きのメモを残していたといいます。まるで自身の最期を予感していたかのような言葉に、邦彦氏は深い思いを馳せています。

森永博志さんの告別式の様子森永博志さんの告別式の様子

自由な魂は永遠に

出世や名声にはこだわらず、人間らしく自由に生きた森永博志氏。その生き方は、多くの読者や周囲の人々に影響を与えました。 「不良少年のままの友情を分かち合い、自由に、軽やかに、生き続けてくれることを、心から願います」という森永邦彦氏の言葉通り、彼の自由な魂はこれからも生き続けることでしょう。