大阪万博、船アクセスは期待外れ?閑散とする「十三よどガヤテラス」の現状

大阪・関西万博では、水都大阪の特色を活かし、船でのアクセスが大きな目玉の一つとして期待されていました。夢洲会場へは各地から船で訪れることができ、その利便性も注目されてきました。しかし、華々しく報じられた当初の計画とは裏腹に、船輸送の現状は厳しいものとなっています。この記事では、特に十三船着場と「十三よどガヤテラス」の現状に焦点を当て、その課題を探ります。

船アクセス計画の縮小と現実

万博開催決定後、「三十石船の復活」や「市内からの船アクセス」など、船輸送計画は多くの期待を集めていました。淀川を下る船旅は、万博の新たな魅力となるはずでした。しかし、当初想定されていた航路や運航本数は大幅に減少。夢洲への定期便は未だ就航しておらず、計画の甘さと行政の対応の遅れが露呈しています。

十三船着場の現状

阪急十三駅近くの淀川河川敷に建設された十三船着場は、夢洲へのアクセス拠点として重要な役割を担う予定でした。2024年時点の計画では、夢洲行きが「3社・1日8便・月約250便」運航される予定で、京都や枚方からの乗り換え拠点としても機能するはずでした。

淀川沿いの十三よどガヤテラス予定地淀川沿いの十三よどガヤテラス予定地

しかし、現実は大きく異なり、定期便は未だ就航していません。河川敷の賑わい創出を目的とした屋台村「十三よどガヤテラス」も閑散としており、当初目標としていた年間30万人の動員は程遠い状況です。

「十三よどガヤテラス」の苦戦

十三船着場と併設された「十三よどガヤテラス」は、約30店舗、600席を擁する屋台村として、船利用客だけでなく、地域住民の憩いの場となることも期待されていました。淀川の水辺空間を活かした魅力的な空間は、新たな観光スポットとなる可能性を秘めています。

定期就航の壁

「十三よどガヤテラス」の苦戦の背景には、夢洲への船の定期就航がないことが大きく影響しています。定期便があれば、船利用客が「十三よどガヤテラス」で食事や休憩を楽しむことが期待できますが、現状ではそのメリットを活かすことができていません。

万博会場への船アクセスイメージ万博会場への船アクセスイメージ

今後の展望

淀川大堰を通過できる閘門「淀川ゲートウェイ」が完成し、京都や枚方からの船アクセスも可能になった今、十三船着場と「十三よどガヤテラス」の活性化は喫緊の課題です。船運事業者への誘致や新たな観光ルートの開発など、関係機関の連携が不可欠です。

フードジャーナリストの山田太郎氏は、「水都大阪の魅力を最大限に活かすためには、船アクセスは欠かせない。行政と民間が協力し、魅力的な航路やサービスを提供することで、更なる集客効果が期待できる」と指摘しています。

大阪・関西万博の成功のためにも、船アクセス計画の見直しと「十三よどガヤテラス」の活性化が求められています。