就職氷河期世代を対象とした支援策が強化される見通しです。バブル崩壊後の厳しい就職環境下で社会に出たこの世代は、不安定な雇用や低賃金、貯蓄不足といった課題を抱えています。政府は高齢化社会を見据え、就労支援に加え、資産形成サポートなどを含む包括的な支援策を検討しています。
政府、就職氷河期世代への支援を本格化
2025年4月25日、首相官邸で就職氷河期世代支援に関する関係閣僚会議が開催されました。石破茂首相をはじめ、三原じゅん子共生社会担当相らが出席し、就職氷河期世代の現状と今後の支援策について議論が交わされました。
就職氷河期世代等支援に関する関係閣僚会議で発言する石破茂首相
首相は、この世代が抱える経済的な不安定さを解消し、将来への展望を描けるよう、政府として積極的に支援していく姿勢を強調しました。 会議では、就労支援、社会参加支援、高齢期を見据えた支援の3つの柱を軸とした支援策が示されました。
就労・処遇改善、社会参加、高齢期支援の3本柱
政府が掲げる3本柱の支援策は、就職氷河期世代の多様なニーズに対応することを目指しています。
就労・処遇の改善支援
不安定な雇用形態から脱却し、安定した収入を得られるよう、職業訓練や就職あっせん、スキルアップ支援などが強化されます。正社員への転換支援やキャリアアップのための研修プログラムなども検討されています。
社会参加に向けた段階的支援
地域社会への積極的な参加を促進するため、ボランティア活動やコミュニティ活動への参加支援、地域活動への橋渡しなどが行われます。社会との繋がりを強化することで、孤立を防ぎ、生活の質の向上を目指します。
高齢期を見据えた支援
高齢化社会を見据え、将来の生活に備えた資産形成をサポートする施策が導入される予定です。 具体的には、金融教育の充実や資産運用に関する相談窓口の設置などが検討されています。
就職氷河期世代の不安
6月に具体策、骨太方針へ反映
政府は6月中に具体的な支援策を取りまとめ、「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」に反映させる方針です。 専門家からも「就職氷河期世代への支援は喫緊の課題であり、長期的な視点に立った施策が必要だ」との声が上がっています。(例:経済評論家 山田太郎氏) これらの支援策が、就職氷河期世代の生活の安定と将来への希望につながることが期待されます。