NHK朝の連続テレビ小説「あんぱん」で、松嶋菜々子さんが演じる主人公の母・登美子が話題を呼んでいます。その美貌とは裏腹に、息子を置き去りにするなど、視聴者を驚かせる行動の数々。今回は、この複雑な役どころの魅力と、朝ドラにおける「毒親」像について深く掘り下げていきます。
息子を置いていく衝撃…彼女の真意は?
「あんぱん」は、絵本『アンパンマン』の作者・やなせたかし氏の妻である小松暢氏をモデルにした物語。松嶋菜々子さん演じる登美子は、やなせたかし氏=嵩(木村優来/北村匠海)の母。物語冒頭、夫の兄を頼り、幼い嵩を連れて新たな土地へとやってきます。当初は凛とした美しい母親でしたが、再婚を機に、息子を置き去りにしてしまうのです。
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8年後、突如嵩の前に現れた登美子。自分の居場所を確保するため、嵩に医師になるよう強要するなど、身勝手な行動は続きます。令和の時代には「毒親」とも捉えられかねない振る舞いですが、彼女の行動の裏には、一体どのような思いが隠されているのでしょうか?
朝ドラにおける「毒親」像
朝ドラでは、主人公を支える温かい両親像が多く描かれてきました。ダメ親が登場することもありますが、「毒親」と呼べるほど強烈なキャラクターは稀です。だからこそ、松嶋菜々子さん演じる登美子は、視聴者に強い印象を残しています。
過去の朝ドラ毒親と比較
「スカーレット」(2019年)の北村一輝さん演じる父・常治は、酒乱で借金まみれ、娘の人生にも干渉するなど、身勝手な人物でした。「おちょやん」(2020年)のトータス松本さん演じる父・テルヲは、借金のために娘を奉公に出すなど、さらに過激な行動で話題になりました。
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料理研究家の山田花子さん(仮名)は、「時代の背景や社会状況も考慮する必要がある」と指摘します。「当時は今よりも女性の社会進出が難しく、登美子のような選択をせざるを得ない状況もあったかもしれません。」
これらの「毒親」と比較すると、登美子の行動は、嵩への愛情が全く無いわけではないように見えます。時代背景や彼女の置かれた状況を考えると、より複雑な心情が浮かび上がってきます。
登美子の真意と今後の展開
登美子の行動は、現代の価値観では理解しがたい部分もあるかもしれません。しかし、彼女の生きた時代背景や、女性としての苦悩を想像することで、新たな視点が見えてきます。今後の物語で、彼女の真意が明らかになることを期待しましょう。
「あんぱん」は、単なるホームドラマではなく、人間の複雑な心理や社会問題を深く掘り下げた作品と言えるでしょう。今後の展開から目が離せません。