笑い声が響くリビング。神奈川県葉山町で2024年4月、シングルマザー2人と子ども4人による新たな共同生活が始まりました。林理永さんと鈴木沙苗さん。なぜ彼女たちはこの「シンママ同居」という道を選んだのでしょうか。
葉山で同居生活を送るシングルマザーの林さん、鈴木さんと4人の子どもたちがリビングで過ごす様子
価値観が一致、自然と深まった絆
二人の出会いはコロナ禍、共通の知人を通じて。子どもの年齢や価値観が似ていたことで意気投合し、すぐに親交を深めました。林さんの葉山の家に子連れで泊まりに行く機会が増え、子どもとの時間や寝かしつけが驚くほどスムーズで、互いに全くストレスを感じなかったと言います。子どもたちが寝た後には、家族の悩みから人生観まで、何でも本音で語り合える関係になりました。
「一緒に住んだ方が早い!」決断と物件探し
2024年夏、林さんが離婚を決意したことが、長年離婚を考えていた鈴木さんの背中を押す形に。「先を越された!」と思わず鈴木さんは笑います。対話を重ねる中で、「もう私たちが一緒に住んじゃった方が、色々と話が早くない?」という考えに。林さんは、シングルになる不安より、鈴木さんとの同居への期待が上回ったと振り返ります。仕事、育児、住む場所…「これからどうするか会議」で具体的に話し合いを重ね、たまたま近所の友人から現在の物件情報を得ました。二家族が暮らせる広さや、仕事に活かせる間取りに惹かれ、一気に同居のイメージが明確になりました。
共同保育を超えた「新たな共同体」
彼女たちが目指すのは、単なる子どもの面倒の見合いではありません。シングルマザーが抱えがちな経済的・精神的負担を分かち合い、困難を共に乗り越える。互いを支え合う強固なセーフティネットとしての共同体です。子どもたちにとっても、複数の大人の愛情を受けながら育む、より豊かな環境を提供できます。葉山から始まったこの試みは、多様な家族のあり方や、現代社会における人々の支え合いの形に、新たな可能性を示唆しています。
シングルマザー同士が助け合い、共に子どもを育てる。この「シンママ同居」という生き方は、従来の家族像にとらわれず、未来に向けた希望となる選択肢として、今注目されています。
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