トランプ前大統領が批判!日本の消費税と「輸出戻し税」の仕組みを徹底解説

日本の消費税制度、実は複雑な仕組みの上に成り立っていることをご存知でしょうか?特に、輸出に関わる「輸出戻し税」制度は、国際的な議論の的となることも。今回は、トランプ前大統領がかつて「イカサマ」と批判したこの制度について、分かりやすく解説していきます。

輸出戻し税とは?その仕組みをシンプルに解説

輸出戻し税とは、輸出企業が国内で製品を製造する際に負担した消費税を、輸出時に還付する制度です。例えば、100円の商品に10円の消費税がかかり、輸出する際にこの10円が企業に戻されます。一見すると公平な制度に見えますが、これがなぜ問題視されるのでしょうか?

altalt(写真:輸出関連イメージ)

なぜ「輸出補助金」とみなされるのか?

ポイントは、消費税のない国への輸出です。アメリカを例に取ると、日本の企業は輸出時に消費税を還付されるため、実質的に製品価格を安く設定できます。これは、間接的に日本の政府が輸出企業を支援しているように見え、WTO(世界貿易機関)のルールに抵触する可能性があるとして、国際的な批判の対象となっています。

トランプ前大統領の批判と日本の対応

2025年4月、トランプ前大統領(当時)はSNSで日本の「非関税障壁のイカサマ」を指摘し、その中に消費税と輸出戻し税の問題が含まれていました。これに対し、当時の石破首相は消費税率引き下げに否定的でしたが、専門家からは輸出大企業への配慮が背景にあるとの指摘も出ています。

輸出大企業と消費税の複雑な関係

消費税率が上がると、輸出還付金も増加するため、輸出比率の高い企業にとってはメリットとなります。一部の専門家は、これが消費税率引き下げの阻害要因になっていると主張しています。税理士で元静岡大学教授の湖東京至氏は、「自民党はスポンサーである輸出大企業の顔色を窺って減税に踏み込めない」と指摘しています。(週刊ポスト2025年5月9・16日号より)

輸出戻し税の規模と課題

では、実際にどの程度の税金が輸出企業に還付されているのでしょうか?2023年の推計では、8.4兆円にものぼるとされています。この巨額な還付金が、財政負担や国際的な貿易摩擦の火種となっていることは否めません。

altalt(図表:輸出関連統計イメージ)

今後の展望

輸出戻し税制度は、日本の輸出競争力に影響を与える重要な要素であり、その是非については今後も議論が続くでしょう。国際的なルールとの整合性、国内経済への影響、そして国民への負担などを考慮した上で、より透明性が高く公平な制度設計が求められています。