「どういう人間だったかといわれると、優しい男だったとしか言いようがない。4月19日にも、警察立ち会いのもと本人に会いましたが……」──4月13日午前、宮城県岩沼市の海岸で、保育士の行仕由佳さん(35)が、刃物のようなもので刺され遺体として見つかった事件。死体遺棄の容疑で逮捕された職業不詳・佐藤蓮真容疑者(21)について、知人はそう話した。
行仕さんの遺体が発見された夜、宮城県警は殺人・死体遺棄事件として捜査本部を設置して捜査を開始。全国紙社会部記者が解説する。
「行仕さんは仙台市の自宅に、小学生の子どもとふたりで暮らしていたそうです。事件前日の昼ごろ、『忘れ物を取りに行ってくる』と言い残して家を出たきり、行方がわからなくなっていたことから、家族が行方不明届を提出していた。
司法解剖の結果、死因は胸などを複数刺されたことによる失血死。捜査関係者によれば、行仕さんの遺体には心臓に達するほど深い傷もみられ、強い殺意を持って刺されたとみられています」
警察は防犯カメラの映像などから、犯人の足取りを捜査。26日に行った記者会見で名前があがったのが、佐藤蓮真容疑者だった。
逮捕された男についてキー局社会部記者が話す。
ジム関係者が「2人は知人だった」と証言
「容疑者は12日午後7時40分ごろから午後8時45分までの間に、砂浜に行仕さんの遺体を遺棄した疑いがもたれている。2人は知人であったみられ、容疑者のスマートフォンには行仕さんとの通話記録が残っていたといいます。犯行に使われた凶器などはまだ見つかっていませんが、警察は殺人容疑も視野に調べを進めています」
佐藤容疑者は県内のキックボクシングジムに所属する、プロのボクサーだった。現在は削除されているが、ジムのホームページには「蓮真(レンマ)」の登録名でプロフィールが載せられており、2024年10月頃の時点で階級は“フェザー級”だったことも確認できる。
行仕さんとはもともと知り合いだったという容疑者。所属していたジムの関係者が言葉少なにこう語る。
「(容疑者が)うちのジムで(キックボクシングを)やっていたことは間違いないです。私は試合などで直接お見かけしたことはありませんが、亡くなった女性とは“親しい仲”だと聞いていました。最後に(容疑者と)会ったのは4月19日。このときは練習ではなくて、警察が来て立ち会いをしました」
容疑者の人柄について質問を重ねると、こう証言するのだ。