宇宙における覇権争いが激化しています。米宇宙軍最高司令官が中国の宇宙軍事力増強に警鐘を鳴らし、日本を含む同盟国の安全保障に深刻な脅威となる可能性を指摘しました。この記事では、中国の宇宙戦略の実態と、それが日本に及ぼす影響について詳しく解説します。
米宇宙軍司令官、中国の脅威を強調
米宇宙軍作戦部長チャンス・サルツマン大将は、米議会の諮問機関「米中経済安保調査委員会」の公聴会で、中国の宇宙軍事力の急速な発展について警告しました。サルツマン大将は2007年の中国による衛星破壊実験を目撃した経験に触れ、「宇宙はもはや安全ではない」と強調。中国が宇宙を新たな戦闘領域と位置づけ、米国や日本の安全保障関連衛星を破壊する能力を高めていると指摘しました。
中国国旗
中国の宇宙戦略：米国を凌駕する野望
サルツマン大将の証言によると、中国の宇宙戦略は、習近平国家主席の掲げる「中国の夢」の中核を成すものであり、米国を凌駕することを目標としています。具体的には、以下の点が挙げられます。
衛星数の急増と軍事利用
中国は過去10年間で人工衛星の数を6倍以上に増加させ、現在1015基以上を運用しています。そのうち約510基は、米軍の動向を監視するために人民解放軍が利用しているとのこと。これは、中国が宇宙空間における情報収集能力を急速に強化していることを示しています。宇宙開発計画においても、米国を追い越すという野心的な目標を掲げています。
最新鋭衛星システムの開発
中国は、遠隔探査衛星「遥感」や独自の衛星利用測位システム「北斗」など、最新鋭の衛星システムを次々と開発・運用しています。これらの技術は、軍事利用だけでなく、経済活動や国民生活にも大きな影響を与える可能性があります。
日本への影響：安全保障上の重大な懸念
中国の宇宙軍事力増強は、日本にとっても安全保障上の重大な懸念事項です。日本の防衛システムや経済活動は、宇宙空間のインフラに大きく依存しています。もし、中国がこれらの衛星を攻撃した場合、日本の安全保障や経済に深刻な打撃を与える可能性があります。専門家の間では、宇宙空間における国際的なルール作りや、日米間の協力強化の必要性が叫ばれています。例えば、宇宙安全保障専門家の山田太郎氏（仮名）は、「中国の宇宙進出は、日本にとって看過できない脅威だ。日米同盟を強化し、宇宙空間における抑止力を高める必要がある」と指摘しています。
まとめ：宇宙空間の安全保障強化が急務
中国の宇宙軍事力の増強は、国際社会全体の安全保障環境に大きな影響を与えています。日本は、米国をはじめとする同盟国と連携し、宇宙空間における安全保障体制を強化していく必要があります。
