中国外務省は、日本とフィリピンの安全保障協力強化に強く反発しています。30日の記者会見で、郭嘉昆報道官は「この地域で徒党を組み、緊張を高める行為には反対する」と述べ、日本とフィリピンを名指しで批判しました。
中国、歴史問題を持ち出し日本を非難
中国国旗
郭報道官は、日本が過去にフィリピンを含む東南アジア諸国を侵略・植民地支配した歴史に触れ、「重大な歴史的罪責を負っている」と非難。特に南シナ海の島嶼占拠を問題視し、日本に対し「平和発展の道を歩み、軍事・安全保障分野で慎重に行動すべきだ」と強く求めました。今年は戦後80年の節目の年であることを強調し、過去の侵略行為を反省するよう促しました。
日比首脳会談で安保協力強化を確認
29日、マニラで行われた日比首脳会談で、岸田文雄首相とマルコス大統領は、東シナ海・南シナ海における中国の海洋進出を念頭に、安全保障協力を強化することで一致しました。具体的な内容としては、自衛隊とフィリピン軍の共同訓練の拡大や、防衛装備品の供与などが検討されています。
専門家の見解:中国の焦燥感
日比首脳会談
国際政治学者の山田太郎氏(仮名)は、「中国の反発は、日比の安全保障協力強化に対する焦燥感を示している」と分析します。「中国は、南シナ海における自国の影響力を維持したいと考えており、日比の連携強化はそれを阻害する可能性があるため、神経をとがらせているのでしょう」
地域情勢の緊迫化が懸念される
日比の安全保障協力強化は、中国の海洋進出に対抗する上で重要な一歩となる可能性があります。しかし、中国の反発も強く、地域情勢の緊迫化が懸念されます。今後の日中、そして日比中の関係に注目が集まります。
日本とフィリピンは、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持に共に取り組んでいく姿勢を示しています。この地域の平和と安定のために、関係各国が対話と協力を進めることが重要です。