国民民主党が山尾志桜里氏の参院選擁立に二の足を踏んでいる。出馬意向を固めたとの報道から10日経っても正式発表はなく、世論の猛反発を懸念しているようだ。党内からは擁立見送りの可能性も囁かれている。一体何が起きているのか、詳しく見ていこう。
玉木代表の誤算? 不倫スキャンダル再燃で国民民主党に逆風
国民民主党の玉木雄一郎代表は、昨年11月に自身に降りかかった不倫騒動を乗り切り、党首の座を守り抜いた。この成功体験から、山尾氏の過去の不倫問題も時が経てば風化すると考えていたようだ。しかし、この目算は大きく外れることになる。
4月下旬、党所属の平岩征樹衆議院議員の不倫スキャンダルが週刊誌で報じられたのだ。平岩議員は不倫の事実を認め謝罪したが、その直後に山尾氏の擁立報道が重なったことで、国民民主党への批判が一気に噴出した。
alt
ネット上では「不倫を容認する党なのか」「山尾氏が公認なら応援しない」といった声が殺到。国民民主党は“不倫まみれ”のイメージを払拭できず、苦境に立たされている。
山尾氏擁立の舞台裏 玉木代表との親密な関係が鍵を握る?
党関係者によると、山尾氏の擁立は一部執行部が水面下で進めており、玉木代表が主導していたという。「2人は東大出身で旧知の仲。山尾氏は以前、玉木氏を“玉木くん”と呼ぶほど親しかった」と永田町関係者は語る。
実際、昨年11月の玉木氏の不倫発覚時、山尾氏はFacebookで「政治家のプライベートを進退に直結させると、『そして誰もいなくなった』になってしまう」と擁護するような投稿をしていた。このことからも、2人の親密な関係が窺える。
擁立発表延期、そして白紙へ?
当初、国民民主党は山尾氏と元NHKアナウンサーの牛田茉友氏の公認を4月23日に発表する予定だった。しかし、世論の猛反発を受けて延期を余儀なくされた。現在、山尾氏の擁立は白紙に戻ったとの見方が強まっている。
政治評論家の山田一郎氏(仮名)は、「国民民主党は今回の騒動で、有権者の倫理観に対する意識の高さを見誤ったと言えるでしょう。党のイメージ回復には相当の努力が必要となるはずです」と指摘する。
今後の国民民主党の対応に注目が集まる。
参院選への影響は? 国民民主党の苦悩は続く
山尾氏の擁立見送りとなれば、国民民主党は参院選の東京選挙区で苦戦を強いられる可能性が高い。知名度のある候補者を失っただけでなく、党のイメージも大きく傷ついたからだ。
党内では、新たな候補者探しを急ぐ動きもある一方、「このままでは参院選で惨敗する」と危機感を募らせる声も上がっている。国民民主党の苦悩はしばらく続きそうだ。