文化庁の宮田亮平長官は20日、先月末に焼失した那覇市の首里城を視察した。視察後、記者団の前で涙ぐみ「首里城は本当に残念ですね。真っ黒になっている大龍柱だけが2つあるのを見ると、何とも言えない喪失感。同時に琉球王国の栄華を思い、非常に心は複雑だった」と語った。
文化庁が文化財にスプリンクラーの設置を勧めている「防火対策ガイドライン」は首里城のような復元施設を対象としていなかったが、宮田氏は「あえて線引きするのではなく、素晴らしい建物の保存ということはできる限りやっていきたい」と語った。
また、焼失した南殿などに収蔵されていた文化財の修復に関し、宮田氏は「ちゃんと調査して、しっかりと修復できるように検討していきたい。沖縄県教育委員会や(首里城を管理・運営する)財団とも相談をしながら復興に向けて一歩、一歩進めていきたい」と強調した。