来夏の東京五輪・パラリンピックで競技に使う器具などの物品調達で「1円入札」の実態が明らかになったが、1円入札は、これまでにもたびたび問題になってきた。
平成元年に富士通が広島市水道局のシステム開発を1円で落札し、NECなど大手IT企業の1円入札が相次ぎ表面化。その後の機器販売や宣伝効果で元を取るビジネスモデルが浮き彫りになった。
17年には財務省が国保有の近代金貨を売却するオークションの補助業務をめぐってヤフーなど2社が1円で入札し、受注。公取委は2社に対し、不当廉売で独禁法違反の恐れがあると警告した。2社は広告宣伝効果を見込み、1円で入札しても実利があると判断したとされる。
また、25年には、林野庁が実施した衛星携帯電話の調達に絡み、KDDIとソフトバンクグループが相次ぎ1円入札で契約したことが発覚。公取委は林野庁に対し、発注方法を改善するよう指摘した。