プロ野球の侮辱的な替え歌、違法性は?弁護士に聞いてみた

プロ野球観戦の熱気は最高潮!でも、行き過ぎた応援は法律に触れる可能性もあるってご存知ですか?今回は、一部ファンの間で問題となっている、侮辱的な替え歌について、スポーツ法務に詳しい田原洋太弁護士(仮名)に解説してもらいました。

替え歌で相手チームを侮辱…これってOK?

最近、一部のファンが相手チームや選手を侮辱するような替え歌を歌うケースが増えており、問題視されています。特に、伝統の一戦である巨人対阪神戦では、こういった行為が目立ち、SNSでも拡散される事態となっています。

野球の試合風景野球の試合風景

例えば、巨人の球団歌「闘魂こめて」を揶揄する「商魂こめて」という替え歌。この替え歌は、歌詞の一部を侮辱的な内容に変えたもので、相手チームへのリスペクトを欠いた行為と言えるでしょう。

田原弁護士によると、このような侮辱的な替え歌は、民事上も刑事上も責任を問われる可能性があるとのこと。

民事責任について

特定の選手に対する侮辱的な替え歌は、その選手の社会的評価を低下させる可能性があります。社会通念上許容される限度を超えている場合、名誉毀損または侮辱として不法行為(民法709条)に該当し、損害賠償義務を負う可能性があるのです。

さらに、複数人で替え歌を歌った場合、連帯して損害賠償義務を負う可能性もあるとのこと(民法719条)。集団心理でつい…と思っても、大きな責任を負う可能性があるため、注意が必要です。

刑事責任について

名誉毀損罪(刑法第230条)や侮辱罪(刑法第231条)に該当する可能性も。また、危害を加える内容であれば脅迫罪(刑法第222条)に該当する可能性もあると田原弁護士は指摘します。

球団はどんな対策を取れる?

では、球団側はどういった対策を取れるのでしょうか?田原弁護士によれば、試合観戦に関する約款や規約に基づいて、侮辱的な応援をした観客を退場させたり、入場を禁止することが考えられるとのこと。

例えば、プロ野球ではNPBの試合観戦契約約款に、他の観客や選手、関係者への威嚇、暴力、誹謗中傷などを禁止行為として定めています。これらの規定に基づき、球団側は厳しい対応を取ることが可能です。

熱狂的な応援はプロ野球の醍醐味。しかし、行き過ぎた行為は、選手や他のファンに不快感を与え、野球界全体のイメージダウンにも繋がりかねません。真の野球ファンとして、節度ある応援を心がけたいですね。