【ミラノ=井戸田崇志】加藤財務相は4日、訪問先のイタリア北部ミラノで行った記者会見で「米国債の売却を日米交渉の手段とすることは考えていない」と述べた。
加藤財務相は2日のテレビ東京の番組で、日米関税交渉を巡り、日本政府が保有する米国債を安易に売らないとあえて発信する可能性について問われ、「交渉のカードになるものは、全て盤上に置きながら議論していくのは当然だ」と述べた。今回の会見の発言は、これを打ち消した格好だ。
加藤財務相は会見で、「番組の中でも実際の協議にあたって、米国債を安易に売らないことのコミットというカードを切るのか、切らないのかは別の判断と申し上げた」と説明した。