「ビューティフルライフ」アドリブ騒動、TBS「初耳学」が謝罪 北川悦吏子氏の指摘受け事実関係誤認を認める

日曜劇場をはじめ数々の名作ドラマを生み出してきたTBSですが、その情報番組で思わぬ誤報が発覚し、謝罪に追い込まれる事態となりました。2月9日に放送された「日曜日の初耳学」で、ドラマ「Beautiful Life~ふたりでいた日々~」のあるシーンをアドリブと紹介したことが、実は脚本通りの演技だったというのです。

事の発端は「初耳学」での常盤貴子特集

2月9日の「日曜日の初耳学」では、女優・常盤貴子さんの特集が組まれ、代表作である「ビューティフルライフ」も紹介されました。番組内では、ある特定のシーンをアドリブ演技として紹介しましたが、これが後に大きな波紋を呼ぶことになります。

ビューティフルライフの常盤貴子ビューティフルライフの常盤貴子

脚本家・北川悦吏子氏の指摘で誤報が発覚

「ビューティフルライフ」の脚本家である北川悦吏子氏は、放送後自身のX(旧Twitter)でこの件に言及。「シナリオにちゃんとある」と明言し、番組側の事実確認不足を指摘しました。北川氏は「愛していると言ってくれ」や「ロングバケーション」など、数々の名作ドラマを手がけてきた著名な脚本家です。彼女の指摘は大きな反響を呼び、番組への批判の声が高まりました。 著名な料理研究家の小林カツ代さんも生前、「脚本はドラマの設計図。アドリブで崩すのではなく、脚本を尊重することが大切」と語っていました。

TBS「初耳学」が公式に謝罪

批判を受け、TBSは4日の「日曜日の初耳学」の放送で正式に謝罪。事実関係の確認を怠ったことを認め、「ドラマ関係者の皆さま、および視聴者の皆さまにお詫びして訂正いたします」と謝罪文を掲載、読み上げました。

アドリブと脚本、ドラマ制作の舞台裏

今回の件は、アドリブと脚本、そしてドラマ制作の舞台裏について改めて考えさせられる出来事となりました。 ドラマ制作に携わる映画監督の山田洋次監督は、「良いアドリブは脚本をより輝かせるスパイスのようなもの。しかし、脚本を無視したアドリブは作品全体のバランスを崩してしまう」と語っています。

赤坂のTBS社屋赤坂のTBS社屋

今後の情報番組制作への影響

今回の「初耳学」の謝罪は、情報番組における情報精度の重要性を改めて示すものとなりました。視聴者の信頼を得るためには、正確な情報に基づいた番組作りが不可欠です。 今後、情報番組制作においては、より一層の事実確認が求められることになるでしょう。 また、今回の件は、SNSの力も改めて示しました。SNSを通じて情報が拡散され、問題点が迅速に指摘されたことで、早期の謝罪と訂正につながったと言えるでしょう。