県警の違法捜査認め無罪 横浜地裁判決、覚醒剤事件


 覚せい剤取締法違反(使用)の罪に問われた男性被告(61)に、横浜地裁(田村政喜裁判長)が無罪判決(求刑懲役3年6月)を言い渡したことが21日、分かった。20日付。神奈川県警の任意捜査で違法行為があったと認定し、男性の尿の鑑定書について証拠能力を否定した。

 判決によると、男性は昨年8月21日、戸塚署に任意同行され、銃刀法違反容疑で取り調べを受けた。その後、警察官から「身柄引受人が来なければ帰宅できない」との説明を受けたため、家族が来るまで署に約3時間留め置かれた。警察官はその間に、強制採尿令状の発付を受け、男性は採尿に応じた。

 田村裁判長は判決理由で、警察官の説明を虚偽と認めた上で「被告の退去の自由を直接侵害するような内容で悪質性が高い」と非難。「任意捜査の許容限度を逸脱している」と指摘し、尿の鑑定書の証拠能力を否定した。



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