認知症予防に効果的な食事とは?最新の研究で明らかに!

近年、高齢化社会の進展とともに、認知症への関心が高まっています。早期からの予防が重要とされる中、日々の食事が認知症リスクに影響を与えることが明らかになってきました。この記事では、最新の研究に基づき、認知症予防に効果的な食事について、分かりやすく解説いたします。

認知症と炎症の関係

これまで認知症は、加齢による脳の機能低下と考えられてきました。しかし、近年の研究では、脳内の炎症が認知症の発症や進行に深く関わっていることが分かってきました。アルツハイマー型認知症では、アミロイドβと呼ばれるタンパク質が脳内に蓄積することで、ミクログリア(脳の免疫細胞)が活性化し、炎症を引き起こします。この炎症が神経細胞を損傷し、認知症の症状につながると考えられています。つまり、炎症を抑えることが認知症予防の鍵となるのです。

認知症予防の食材認知症予防の食材

抗炎症食で認知症リスクを軽減!

では、どのように炎症を抑えれば良いのでしょうか?そこで注目されているのが「抗炎症食」です。抗炎症食とは、炎症反応を抑える効果のある食品を積極的に摂取する食事法のこと。2024年8月に発表されたカロリンスカ研究所のダヴ博士らの研究(*1)では、約8万5000人の高齢者を対象に、抗炎症食と認知症リスクの関係を12年以上追跡調査しました。その結果、抗炎症食を心がけている人は認知症になりにくいことが判明。特に、肥満、高血圧、糖尿病、高脂血症などの持病がある人において、効果が顕著でした。これらの持病は認知症リスクを高めますが、抗炎症食によってそのリスクを約3割も軽減できることが分かりました。

(*1) Dav, et al. “Association of Anti-Inflammatory Diet With Risk of Dementia Among Older Adults.” JAMA Netw Open. 2024 Aug 1;7(8):e2425480.

抗炎症食に関する書籍抗炎症食に関する書籍

具体的にどんなものを食べればいいの?おすすめの抗炎症食材

抗炎症食で積極的に摂りたい食材は、以下のようなものがあります。

  • 魚: イワシ、サバ、マグロなどの青魚に多く含まれるオメガ3脂肪酸は、強力な抗炎症作用があります。
  • 豆類: レンズ豆、ヒヨコ豆、大豆などは、食物繊維や抗酸化物質が豊富で、炎症を抑える効果が期待できます。
  • 果物: ブルーベリー、リンゴ、イチゴなどは、ビタミンCやポリフェノールといった抗酸化物質が豊富です。
  • 野菜: ブロッコリー、ほうれん草、ケールなどの緑黄色野菜には、ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富に含まれています。
  • 全粒穀物: 玄米、オートミール、全粒粉パンなどは、食物繊維やビタミンB群が豊富です。
  • ナッツ: アーモンド、くるみなどは、良質な脂肪酸やビタミンEを含んでいます。
  • オリーブオイル: エクストラバージンオリーブオイルは、オレイン酸やポリフェノールが豊富で、抗炎症作用が高いとされています。

毎日の食事で認知症を予防!

認知症予防は、一朝一夕にできるものではありません。毎日の食事に気を配り、抗炎症食を継続することが大切です。今日からできることから始めて、健康寿命を延ばしましょう。