ルーマニア大統領選:極右シミオン氏、決選投票へ 首相辞任、政局混迷

ルーマニアの未来を占う大統領選挙。4日に行われた第一回投票で、極右野党「ルーマニア人統一同盟」を率いるシミオン氏が首位を獲得、決選投票進出を決めました。この結果を受け、チョラク首相は辞任を表明し、政局は混迷を深めています。今後のルーマニアの政治、そしてEUとの関係はどうなるのでしょうか。

極右シミオン氏、躍進の背景

ルーマニア大統領選第一回投票の様子ルーマニア大統領選第一回投票の様子

シミオン氏の躍進は、国民の既存政治への不満を反映していると言えるでしょう。経済の低迷、汚職問題、そしてEUへの不信感などが、極右勢力への支持を後押ししていると考えられます。政治アナリストのドラゴミール・ステファン氏(仮名)は、「国民は変化を求めている。シミオン氏は、その変化を象徴する存在として支持を集めている」と分析しています。

連立政権崩壊、EUとの関係は?

シミオン氏の第一回投票における勝利は、既存の連立政権に大きな打撃を与えました。連立政権の候補であるアントネスク氏は、決選投票に進出できず、チョラク首相は辞任を表明。中道左派・社会民主党は連立政権からの離脱を表明し、政局は混迷を深めています。ルーマニアはEU加盟国であり、西側寄りの路線を維持してきましたが、シミオン氏の台頭は、この路線に変化をもたらす可能性があります。EUとの今後の関係が注目されます。

決選投票の行方

18日に行われる決選投票では、シミオン氏と無所属中道派でブカレスト市長のダン氏が対決します。ダン氏は、EUとの協調路線を維持する姿勢を示しており、シミオン氏との対決は、ルーマニアの将来を左右する重要な戦いとなるでしょう。 世論調査では、ダン氏がわずかにリードしているものの、接戦が予想されています。

財政改革の行方も焦点に

ルーマニアはEU内で最大規模の財政赤字を抱えており、財政改革は喫緊の課題です。抜本的な改革が実施されなければ、投資適格級を下回る格付けとなる可能性も指摘されています。次期大統領は、この難題にどのように取り組むのでしょうか。専門家の中には、「シミオン氏の経済政策は不明瞭な部分が多く、不安視されている」と指摘する声もあります。

ルーマニアの未来は?

大統領選挙の結果は、ルーマニアの政治、経済、そしてEUとの関係に大きな影響を与えるでしょう。国民の選択が、ルーマニアの未来をどのように形作っていくのか、注目が集まります。