4倍増となる大躍進も
有権者から見放され沈みゆく永田町にあって、“一人勝ち”状態にあるのが玉木雄一郎代表(56)率いる国民民主党だ。迫る今夏の参院選でも大幅な議席増が予想されるが、肝心の“候補者”の中には問題を抱える人物がいるのも事実だ。当事者たちを直撃すると――。
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まずは、元自民党本部事務局長で選挙・政治アドバイザーの久米晃氏が、国民民主党の「勢い」をこう分析する。
「すでに支持率で立憲民主党を上回り、勢いも持続している。比例で10議席、東京や神奈川、愛知、大阪、兵庫、福岡などの複数区で5〜6議席は取ると見積もっています。玉木氏が掲げた16議席獲得も、十分に達成可能な目標といえます」
今夏の参院選における同党の改選組は4人のため、一気に4倍増となる大躍進も現実味を増しつつあるのだ。しかし、不安材料がないわけではない。
「党勢を伸ばす国民民主から出馬したいと考える者は多い反面、知名度や実績を兼ね備えた“いいタマ”を確保できないことが悩みの種となっています。実際、候補者選びは代表の玉木氏や幹事長の榛葉賀津也氏(58)、国対委員長の古川元久氏(59)らの個人的人脈に頼る部分が大きいとされ、名前の挙がるメンツを見渡しても玉石混淆(こんこう)は否めない。擁立を決めた途端、批判にさらされ方針を引っ込めるといった混乱も続いています」(全国紙の政治部記者)
榛葉幹事長に聞くと……
例えば、公認の動きが明るみに出るや批判が殺到し、玉木氏ら幹部も対応に苦慮しているのが、元同党所属衆院議員で弁護士の菅野(山尾)志桜里氏(50)である。4月22日、参院選の比例代表として菅野氏擁立の方針が報じられると、すぐにSNS上で「不倫まみれの国民民主党」や「不倫容認政党」などの言葉が飛び交う“大炎上”へと発展した。
菅野氏といえば、2017年の民進党(当時)議員時代に倉持麟太郎弁護士との不倫が発覚。その後、倉持氏の妻が自殺するという悲劇が起きている。
折しも同じ4月22日、国民民主の平岩征樹衆院議員(45)が偽名を使い「独身」と偽って不倫していた過去を、週刊誌報道に先手を打つ形で謝罪。玉木氏の元グラドルとの不倫話も蒸し返され、「不倫性党」などと非難の大合唱を生んだ。
「タイミングが悪かったとはいえ、想像を超える世論の反発が党に押し寄せ、幹部たちも慌てふためいた。ただ菅野氏の政治家としての能力を評価する声は依然多く、党名で選ぶ傾向の強い“比例代表であれば問題なく当選する”として、いまも擁立を模索する動きは消えていない」(前出の政治部記者)
選挙での公認権を握る榛葉氏に「菅野氏を擁立するのか?」と尋ねたところ、
「賛否両論があるのは、それだけ注目されているということじゃないですか。(党の)役員会を含め、いろいろな声があるので、現状(擁立するか否かは)決まっていません」