ウクライナ軍のHIMARS、ロシアの光ファイバードローンで撃破される


【画像】ウクライナ軍の高機動ロケット砲システムを撃破するロシア軍のドローン

HIMARSがロシア軍に撃破されたのはこれで4基目だ(編集注:直近では4月18日にも、ドネツク州クラマトルシク方面でイスカンデル-M弾道ミサイルによって撃破されている)。ウクライナ軍のHIMARSはまだ36基前後残っているので、当面は不足しそうにない。ただ、ロシア軍の最も高性能なドローンがより後方を攻撃してくるなか、損失ペースは加速するおそれがある。

すばやく移動し、各約300kgのロケット弾6発を最大92km先に撃ち込むHIMARSは、ウクライナ軍にとって、ロシア軍の兵力集中地点や司令部・本部、防空システム、大砲を攻撃するための最も優れた兵器のひとつだ。またそのために、ロシア軍のドローンにとって最重要の目標になっている。ただ、最も重要な前線では、ウクライナ軍の部隊は強力なジャミングによって無線操縦のドローンからは守られている。

一方、mm単位の細さで数km以上の長さの光ファイバーケーブルを通じて操縦される光ファイバードローンは、電子戦に詳しいアナリストのRoyが言うように「ジャミングがいっさい効かない」。ロシア軍が光ファイバードローンの使用をますます増やすにつれて、HIMARSはその攻撃にさらされやすくなっており、とりわけ日中、幹線道路を移動する際には狙われやすい。

■精鋭ドローン部隊「ルビコン」

これはウクライナにとって憂慮すべき事態だが、ドローン技術の急速な進化を考えればとくに驚くことではない。

6日かその少し前、東部ドネツク州チャシウヤール方面であったとされる今回の攻撃では、光ファイバードローンが走行中のHIMARSを追跡し、突っ込んで自爆した。被弾後に乗員は脱出した可能性があるが、2000万ドル(約29億円)はする発射機は完全に破壊された。

このドローンを操縦していたのは、ロシア軍でおそらく最も優秀なドローンチームを擁するルビコン先進無人技術センターのチームだった。ルビコンのドローン部隊は2月下旬、ロシア西部クルスク州で、ウクライナ軍の占領地域の中心地だった町スジャへの主要補給線に対する攻撃を激化させ、甚大な損害を与え始めた。

ごく短期間のうちにウクライナ軍の補給トラックを何百台も破壊し、補給を遮断していったルビコンの部隊は3月前半、ウクライナ軍をクルスク州からほぼ撤退に追い込んだ。クルスク州での喫緊の任務を達成したルビコンは、次の重要任務としてHIMARSの破壊に取りかかったようだ。

光ファイバードローンの脅威にさらされていることはウクライナ側もわかっている。だからこそウクライナは、ロシア国内深くにある光ファイバードローンの部品工場に長距離攻撃ドローンを送り込み、爆破しているのだ。

David Axe



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