トランプ関税の交渉で初めての合意です。アメリカとイギリスが、イギリス車については台数を限定して関税を10%に引き下げ、鉄鋼とアルミはゼロにすることとしました。一方で、日本の自動車業界は大打撃を受けています。
■「イギリスは特別」トランプ大統領
トランプ大統領
「これは両国にとって素晴らしい契約となります」
世界が急ぐトランプ関税を巡る交渉。最初に合意に漕ぎつけたのは、イギリスでした。喜びを隠しきれないイギリスのスターマー首相はこう述べました。
スターマー首相
「ドナルド、あなたのリーダーシップに感謝します」
気になるディールの内容は…。
スターマー首相
「輸出時にかかっていた27.5%の自動車関税を10%に引き下げました(年10万台まで)。鉄鋼とアルミニウムの関税はゼロになります」
イギリスは、アメリカからの農産品や工業製品などの輸入拡大やボーイング社の航空機1兆4500億円相当(100億ドル)を購入するといいます。
なぜイギリスが最初だったのでしょうか?
上智大学 前嶋和弘教授
「そもそもトランプ政権の1期目から、この貿易協定をイギリスとは進めてきた。もう一つはイギリスとアメリカ、アメリカのほうが貿易黒字」
そもそもイギリスには日本などが課されている相互関税10%の上乗せ分(日本は14%)がありません。自動車の低関税枠を日本も期待できるのでしょうか?
前嶋教授
「(米英の交渉は)日米の関税交渉のたたき台になっていくのは間違いない。一方で、アメリカは日本に対して貿易赤字ですので、イギリスとは大きく状況が異なる。日本側のハードルは結構高い」
トランプ大統領もこう釘を刺します。
トランプ大統領
「自動車関税を25%から10%にすることはほとんどありません。イギリスメーカーは何十億台も作らないので特別なのです」
イギリスのアメリカへの最大の輸出商品はアストンマーティンなどの自動車で、去年の輸出額はおよそ1兆7100億円(90億ポンド)です。