プーチン大統領警護に「ドローン迎撃機ヨールカ」目撃か?ロシアの防衛強化

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の警護部隊が、携帯型ドローン迎撃機ヨールカ」とみられる装置を携行している様子が新たな動画で確認されました。これは、ウクライナからの無人航空機による脅威が高まる中、指導者の安全確保への意識が反映された動きと見られます。

謎の映像:プーチン大統領と携帯型ドローン迎撃機「ヨールカ」

動画には、プーチン大統領のボディーガードの一人が、警護中にドローン迎撃機のようなものを装備している様子が映し出されています。この映像は日付が不明ですが、ウクライナ人アナリスト、セルヒー・”フラッシュ”・ベスクレストノフ氏が7月29日に投稿しました。映像の内容は、モスクワの赤の広場で行われた今年の戦勝記念日パレードにおいて、プーチン大統領が軍高官を視察している場面と酷似しています。このことから、5月9日の戦勝記念日パレード中に撮影された可能性が高いと見られています。

パレードの側面から撮影されたこの映像には、プーチン大統領の動きに追随する一人の男性が映り込んでおり、彼が持つ装置がロシアの迎撃ドローン「ヨールカ」とそのランチャーに酷似していると指摘されています。「ヨールカ」は手持ち式ランチャーから発射可能で、前方に4枚のフィン、後方にプロペラ付きの大きなフィンが4枚備わっています。動画内の装置にも同様のプロペラ付きフィンが確認でき、FPVドローンに衝突して破壊する設計です。

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の警護官が携帯型ドローン迎撃機「ヨールカ」らしき装置を携行する様子。戦勝記念日パレードでの警備強化の一端を示す。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の警護官が携帯型ドローン迎撃機「ヨールカ」らしき装置を携行する様子。戦勝記念日パレードでの警備強化の一端を示す。

情報の信頼性とロシアのドローン防衛戦略

Business Insiderは、この動画の信憑性を独立して確認していません。しかし、動画の一部は、今年の戦勝記念日パレードでプーチン大統領が視察を行った際のライブストリーミング映像と高い一致を見せています。例えば、ロシア陸軍大佐や空挺軍大佐がプーチン大統領に敬礼したり握手を交わしたりする様子は、どちらの映像にも共通して見られます。

また、装置を携行していた男性の服装は、パレード当日に他のプーチン大統領のボディーガードが着用していたスーツ、濃紺のネクタイ、赤いストラップと同一です。さらに、この迎撃ドローンらしき物体が目撃された動画に映る他の2人の警護官も、公式テレビ映像に確認されています。これらの事実は、プーチン大統領の警護部隊が「ヨールカ」を装備していた可能性を裏付けます。ウクライナからの無人航空機攻撃の脅威を受け、ロシアが今年のパレードでドローン防衛を大幅に強化した背景とも合致します。

プーチン大統領の警護部隊が携帯型ドローン迎撃機「ヨールカ」を装備していた可能性は、現代の紛争におけるドローンの脅威と、国家指導者の安全確保における技術的進化、ひいてはドローン対策の必要性を浮き彫りにするものです。

参考資料

  • Business Insider Japan