仕事や学業、交友関係などリアルが充実していることを指すネットスラング「リア充」に憧れ、常に周りを気にしてキョロキョロしているが、なんだか馴染めずにいる人のことを「キョロ充」と呼ぶ。入学して間もない大学生などに使われることが多かったが、徐々に学生以外にも使われるようになった言葉だ。国民民主党の玉木雄一郎代表を一年生議員の当時から取材してきたライターの小川裕夫氏が、初印象時に受け取った「キョロ充」ぶりから現在までを振り返りレポートする。
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2024年10月15日に投開票された衆議院議員選挙は自民党・公明党が大敗を喫し、衆議院で過半数を割り込んで少数与党となった一方で、玉木雄一郎代表が率いる国民民主党は7から28へと議席を4倍に増やした。元は同じ党から分かれた立憲民主党と区別しづらいと指摘されがちだった同党は、”対決より解決”や”手取りを増やす”を掲げて選挙を戦い、異なる支持層を形成。自民党支持層をも取り込み、選挙から半年が経過した現在も強い人気を誇っている。
そのままの勢いで参議院議選挙に臨もうと、国民民主党は多くの候補者擁立に動く。今回の選挙で争われる東京選挙区の定数は6だが、2024年の東京都知事選へ出馬した蓮舫氏が失職した欠員を補充する選挙も併せて行われるため7人を選出する合併選挙となる。国民民主党は東京選挙区で2人の候補者を擁立する予定にしており、前回は同選挙区へ立候補がなかったことを思うと、かなり強気の姿勢だ。
参院選でも自公が苦戦することは誰の目にも明らかなため、永田町では選挙後に国民民主党を与党へ引き入れるという風聞が絶えない。国民民主党が与党入りするとしたら、玉木雄一郎議員が首相に就くことも大いに考えられる。一年生議員の当時から取材で接する機会があった筆者が知る、一年生議員だった当時から現在までの玉木氏と国民民主党について改めて振り返ってみたい。