【主張】ローマ法王訪日 拉致解決へ緊密な連携を

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 ローマ法王フランシスコが訪日する。ローマ法王を日本に迎えるのは2回目で、1981年のヨハネ・パウロ2世以来、38年ぶりとなる。

 法王は、キリスト教カトリック信徒13億人のトップに立つ宗教指導者であり、同時に、約180カ国・地域と外交関係を持つ小さな国家、バチカンの元首でもある。

 バチカンの高い情報収集能力を含めて、法王の言動は国際社会に大きな影響力を持つ。訪日を関係強化の機会とし、さまざまな問題で連携を模索していきたい。

 安倍晋三首相との会談ではとりわけ、北朝鮮による日本人拉致問題の早期解決に向け、法王の理解と協力を得ることが重要だ。

 無辜(むこ)の人々がさらわれた残忍な事件である。帰国を待つ家族は気の遠くなるような長くつらい時間を強いられている。そこに法王が目を向ける意義は大きい。法王を通じて拉致の実態を世界に知らせ、解決への機運を高めたい。

 法王は訪日に向けたメッセージで、「核兵器の破壊力が人類の歴史に二度と解き放たれることがないよう、ともに祈る」と述べた。被爆地の長崎、広島を訪れ、核廃絶を訴える意向だ。

 東アジアは今、北朝鮮の核の脅威に直面している。北朝鮮は国際社会の度重なる警告を無視して核開発を続け、核兵器の運搬手段となる弾道ミサイルを頻繁に日本海に向けて発射している。

 こうした現実を伝え、東アジアの平和と安全には北朝鮮による完全な非核化が不可欠だという認識を共有したい。非核化を進めるためには、経済制裁などの北朝鮮への圧力が欠かせないことも強調しておくべきである。

 米国の核の傘に頼らざるを得ない日本は、核兵器禁止条約に署名していない。日本が核廃絶に後ろ向きだからではなく、現実的な立場を取っているからだということを理解してもらう必要がある。

 法王フランシスコは2014年の韓国訪問を皮切りに、アジア外遊はこれで4度目となる。訪日に先がけてタイを訪れた。アジアへの関心は高い。

 中国では、香港で民主化を求める学生と警察が衝突して流血の事態となり、新疆ウイグル自治区でも少数民族の弾圧が続いている。人権弾圧がやまないアジアの現実についても意見をかわし、連携を探っていきたい。

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