将棋の藤井聡太名人(竜王、王位、王座、棋聖、棋王、王将、22)に永瀬拓矢九段(32)が挑戦する第83期名人戦七番勝負が5月9日、大阪府泉佐野市の「ホテル日航関西空港」で第3局1日目の対局を行い、手番の藤井名人が52手目を封じて指し掛けとした。封じ手の瞬間には、藤井名人の“珍しいミス”にファンが注目。「かわいいまちがい」「集中しすぎちゃったのね」と多くの声が上がっていた。
関西国際空港開港30周年を記念して開催されている名人戦第3局。永瀬九段の先手で始まった注目の一局は、藤井名人が2手目に公式戦で2局目の採用となる角道を開ける一手を志向。様々な戦型が想定された中、角交換を拒否して相矢倉の戦いに決まった。
早々に前例のない戦いへと突入し、永瀬九段はたっぷり時間を投入して藤井名人の狙いを探ることに。藤井名人は中住まいに組んでバランス型に構え、持久戦に備えていた。スローペースの戦いへと発展すると、午後には藤井名人がたっぷり時間を投入。やや苦しいそうな表情で考え込む様子も見られた。
午後6時30分、立会人の福崎文吾九段(65)が封じ手の定刻となったことを告げると、手番の藤井名人は10分の考慮の後、封じる意志を示して指し掛けとした。封じ手用紙へ記入を終えた藤井名人が盤前に戻ると、慣れた手つきで封じ手を永瀬九段へ。しっかりと封じられていることを確認したのち、通常は自身が署名をした赤ペンをそのまま対局相手に渡すことになるが、ここで藤井名人は封筒を閉じるために使用したのりを渡していた。
スティックのりが赤色のパッケージだったこともあってか、視覚的に間違えてしまったと思われるが、2日制のタイトルを幾度となく経験してきている藤井名人の珍しいミスとあり、ファンも大注目。ABEMAの視聴者からは「のり渡しちゃった」「間違えちゃった」「きゃわわわ」「逆った」「かわいいまちがい」「珍しいミスね」「集中しすぎちゃったのね」と多くのコメントが寄せられていた。
相手の永瀬九段も封じ手は慣れたものとあり、動じる様子はなく記録係に赤ペンを要求。ここで藤井名人も気付いた様子で、赤ペンを再度永瀬九段へ渡して無事に署名を完了させていた。第3局はあす10日午前9時頃に封じ手を開封し、対局が再開される。
(ABEMA/将棋チャンネルより)
ABEMA TIMES編集部