中国に「コメ輸出」疑惑でネット炎上中のニトリを直撃…返ってきた「意外な答え」


獲れたてのコメを小樽港から中国へ

日本国民の多くがコメ高騰で苦しんでいるなか、このような波紋を広げそうな動画がXを中心に拡散されている。

備蓄米放出でも「1割も下がれば御の字」に輸入米急増…専門家に聞く『自給率100%』語られない真実

家具販売大手の「ニトリ」が貴重な日本のコメを中国に売っているというのだ。

これは、ある医師が自身のユーチューブチャンネル内で安全保障アナリストと対談し、日本経済新聞の報道を根拠に、北海道で獲れたコメを集めて小樽港から中国に輸出しているとし、

「日本で採れたお米は日本人が最初に食べなきゃいけないじゃないですか。これを中国に輸出してコメを不足させて値段が上がり足りないから備蓄米という古米を食べさせる。これおかしくないですか?」

と主張している。

投稿自体は2月28日だが、この切り抜き動画が5月5日ごろまでにXで拡散され炎上しているのだ。

この投稿に対し、Xでは

《ニトリ許せん!》

《売国企業だ》

《もうニトリ製品買いません》

などと、批判の声が上がっている。

◆本サイトにニトリが語ったことは……

「今月7日に発表されたスーパーのコメ平均価格は、前週より12円プラスの5キロ4233円となり、17週連続値上がりし過去最高を更新しました。去年の同時期と比べると約2倍の水準です。備蓄米も放出されましたが、流通の遅れが顕著でスーパーなど小売店に届いたのは全体のたった約2%。まだまだ安く買うことはできません。

今年の新米も高値がつけられると専門家は予測しています。ニトリが輸出しているコメの量で国内のコメ価格が下がるかどうかは不明ですが、ここまでくると感情論でしょうね。“ちょっとでもいいから日本人に回せよ”と反感を買っている」(テレビ局報道記者)

動画の元となる日本経済新聞を調べると、確かに’21年11月8日付で

『ニトリが北海道米「ななつぼし」輸出へ 中国市場で勝算』

という記事が見つかった。

記事内には、ニトリホールディングス(HD)がホクレン農業協同組合連合会(札幌市)と共同で、中国に空きコンテナを活用して北海道産米「ななつぼし」を第1弾として小樽港から年内に60トン弱を輸出すると書かれている。

これは約4年前の記事だが、このコメ不足で価格が高騰している中、本当に現在も中国に輸出しているのだろうか。そこで、“現在も北海道産米「ななつぼし」ほか、コメを中国に輸出しているのか?”と、ニトリに質問すると、

《米の輸出についてはご指摘のとおりホクレン農業協同組合連合会様と共同で行ったことに関しましては事実でございます(2022年1月)が、それ以降お米の輸出の実績はございません》

と回答した。

「ニトリ内でも今回の炎上内容と事実に異なる部分があることで、動揺しているスタッフも多い。今はコメ価格に国民が敏感な時期だけに、中国へ輸出しているという過去の情報が想像以上に大きく広まってしまったのでしょう」(全国紙経済部記者)

国民が物価高で苦しんでいることは間違いない。ちょっとしたことで炎上し、不買運動にも発展する世の中の恐ろしさを感じる一件だ――。

FRIDAYデジタル



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