「金さえあれば大丈夫というのは事実です」
中国などから外国人が〈格安の500万円で日本へ移住してきている〉との報道が相次いでいる。これは日本で「経営・管理」の滞在資格(ビザ)を取得するものだが、本来の経営実態がない事例もあるともいう。
【えっ!?こんなに…】10年間で3倍以上に…!?「経営・管理ビザ」での在留外国人数の推移
「金さえあれば大丈夫というのは事実です。500万円を一時的に用意できて、日本で助けてくれる人がいれば」
こう話すのは、この問題に詳しい行政書士の西山健二さん。外国人が出入国在留管理局に在留申請をする際、手続きを支援するのが行政書士だ。
「移住」増加の背景には、医療など日本の充実した社会保障制度や、良好な生活環境をアピールしているブローカーの存在も指摘されている。米国で同様のビザを取得するには数千万円程度の投資が必要とされ、それに比べて日本は「格安」というのだ。
こうした報道が相次ぐなか、石破茂首相は4月初旬、次のような政府の「答弁書」を国会に提出した。
「経営・管理の在留資格で日本に在留する外国人富裕層が増えており、そのなかには該当の在留資格にかかわる営業の実態が確認できない事例がある旨の報道があったことは承知している」
参政党の神谷宗幣参院議員が『「経営・管理」の在留資格を悪用した外国人移住の実態に関する質問主意書』を国会に提出したのを受け、政府が答弁したものだ。神谷議員の事務所の担当者によると、産経新聞や読売新聞の報道などをもとに質問したという。
この質問主意書は、経営・管理ビザなどの不正取得が深刻な問題になっていると指摘。特に、中国富裕層が高品質な医療サービスを低コストで享受するため、日本に会社を設立し、このビザを取得して移住するケースが増えている、などとしている。
出入国管理統計で、経営・管理での在留外国人数はこの10年くらいで急増しており、昨年6月末時点で、そのうち半数以上が中国人となっている。
一方、首相は答弁書で、法務局が商業登記法など関係法令に基づき、適切に商業・法人登記の事務をしている、などと答えている。
〈中国人富裕層が狙う「経営管理ビザ」の実態、架空会社設立し医療費「タダ乗り」〉と産経新聞は3月15日にオンライン記事で報道している。中国人に日本への移住を斡旋する同胞のブローカーが、日本での生活の快適さを示した資料を示し、経営・管理ビザの取得を持ちかけているなどという。
〈経営・管理ビザ「500万円は格安」、中国SNSにあふれる移住ノウハウ…中間層も定住進む〉と読売新聞は3月1日にオンライン記事で報じた。中国のSNSには、経営・管理ビザで民泊経営者として日本に移住する方法を解説した投稿があふれているという。