ローラ・ブラジー、BBCニュース(ワシントン)
米ホワイトハウスが、カタールの王室から豪華なジャンボジェット機の提供を受けることについて協議している。大統領専用機エアフォース・ワンとして使うことを考えているという。
カタールは声明で、航空機は贈り物ではないと主張。両国が「一時的な使用」を目的とした譲渡を協議しているとした。
BBCが提携する米CBSニュースによると、この航空機はドナルド・トランプ大統領の任期終了後、同大統領の図書館に寄贈される予定。
トランプ氏は今週、大統領2期目の最初の主要外遊の一環として、カタールを訪れることになっている。
在米カタール大使館の報道担当アリ・アル・アンサリ氏は、両国の国防当局が交渉を続けていると説明。「それぞれの法務部門が検討中で、何も決まっていない」とした。
CBSニュースが事情を知る人たちの話として伝えたところでは、航空機は改修と警備当局の許可が必要なため、すぐに使用可能にはならないという。
航空機は非常に高価なため、その扱いが法律と倫理の面から問題視されることは確実だ。
ホワイトハウスのキャロライン・レヴィット報道官は11日、「外国政府からのあらゆる贈り物は、常に関連法律を完全に順守して受け取っている。トランプ大統領の政権は、全面的な透明性を重視している」と述べた。
■契約分の納入遅いと不満
米空軍によると、ホワイトハウスが現在使っている航空機には、米ボーイングの747-200Bが2機含まれている。1機は1990年、もう1機はその翌年から使われており、特別な通信機器や特別室、事務室、会議室などを備えているという。
エアフォース・ワンは通常、政権から政権へと引き継がれる。国立公文書館によると、エアフォース・ワンのジェット機を所有しているのは、ロナルド・レーガン大統領図書館のみ。寄贈されるまでに、7人の大統領が搭乗したとされる。
カタールは、ボーイング747-8の新型機を提供予定だとされる。米ABCニュースは、「空飛ぶ宮殿」にアップグレードされたものだと報じている。
ボーイングは、ホワイトハウスに新型機を納入する契約を結んでいる。たが、トランプ氏は2月、同社の納入が予定より遅れていると不満を表明した。同政権は1期目に、ボーイングと747-8の特別機2機について交渉していた。
ボーイングは、それらの航空機が使用可能になるのは2027年か2028年だとしている。
トランプ氏は2月、「ボーイングには満足していない。エアフォース・ワン(の製造)には長い時間がかかるが、契約はずっと前に結んでいる」、「飛行機を買うかもしれないし、飛行機を手に入れるかもしれない。別の何かがあるかもしれない」と述べていた。
トランプ氏は1期目、カタールと前向きな外交関係を築いた。2019年には、カタールがアメリカの航空機を大量購入すると発表した。
カタールは過去にも、プライベートジェット機を贈り物として他国に提供している。2018年にはトルコに豪華機を贈った。
(英語記事 White House and Qatar discuss transfer of luxury jet for Air Force One)
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