石破首相(自民党総裁)は12日の衆院予算委員会の集中審議で、年金改革関連法案を今月中旬に国会提出する方針を明言した。政府・与党は、参院選後の臨時国会に先送りすることも検討していたが、今国会での提出にかじを切った。
関連法案は、パートら短時間労働者の厚生年金加入の拡大策などが柱となる。首相は「将来の受給者の給付も充実させつつ、現在の年金の増額措置を盛り込んだ極めて重要な意義を持つ」と意義を強調した。
厚生年金の積立金を活用した国民年金(基礎年金)の底上げ策も柱の一つだったが、自民内で批判が出たため政府はこの部分を削除した。予算委で立憲民主党の長妻昭氏はこの点に触れ、「(基礎)年金の目減りをどう防ぐのか。決定打が(法案から)抜けている」と批判した。
一方、首相は消費税減税について「年金・医療が厳しい状況にあることを話さないで消費税減税だけの話をするのは無責任な議論だ」と述べて、改めて否定的な姿勢を示した。
経済対策の財源を赤字国債発行で賄うとの主張についても「金利の世界を甘く見ていないか。低金利、ゼロ金利の時代が続いたので感性が鈍くなってしまったのではないか」と批判した。