核兵器を放棄したウクライナが降伏すればロシア周辺国が核保有を検討も


米首都ワシントンに拠点を置くシンクタンク、大西洋評議会が主催する円卓会議に出席したバロ外相は、「かつて安全保障と引き換えに核兵器を手放すことに合意したウクライナが降伏するようなことがあれば、究極の安全保障は核兵器の保有だけだという警告を送ることになる」と指摘した。同外相は、西側諸国がウクライナを見捨てた場合、それに伴う大きな代償について警鐘を鳴らし、民主主義国家のウクライナが降伏すれば「核拡散の危機を引き起こし、過去80年間見られなかった水準で世界が再び不安定化するだろう」との見解を示した。

米国のマルコ・ルビオ国務長官とウクライナ和平の可能性について会談した後、バロ外相は、この新たな核軍拡競争は「欧米の安全保障のコストを大幅に引き上げることになる。この見解は米国とフランスの間で共有されていると認識している」と強調した。

一方のルビオ長官は会談後、米国はウクライナの「永続的な平和を保障するために、フランスをはじめとする欧州諸国と緊密に連携していく」と表明。「持続可能な合意に向け、欧州とウクライナの支持を集めたフランスの主導権を称賛する」としながらも、「この戦争を終結させるために、欧州は実質的な人材と政治的意志をもって立ち上がらなければならない」と指摘した。

米マサチューセッツ工科大学で教壇に立った経験を持つバロ外相は、ウクライナが独立と民主主義を守る戦いに敗れた場合、国連が支える世界秩序に重大な脅威がもたらされると警告した。「もしウクライナが降伏するようなことがあれば、それは世界全体に長期にわたる広範な影響を及ぼすだろう。なぜなら、それは基本的に規則に基づく国際秩序を最強の者の法に置き換えることになるからだ。隣国との国境問題を抱える世界中の国々にとって、領土を得るために侵攻したり、軍事的脅迫や武力を行使したりできると考える大きな動機が生まれるだろう。これはすべての国にとって非常に大きな負担になる。われわれは世界中で問題が爆発的に拡大していくのを目の当たりにするだろう」

バロ外相は、米国初の原子爆弾を製造したマンハッタン計画の再現のような新たな秘密核兵器計画の波も世界を不安定化させる要因となると示唆した。



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