海外は「共同親権」が主流 法務省で検討も慎重論





提訴後に記者会見する単独親権違憲訴訟原告の宗像充さん(左端)ら=22日午後、東京・霞が関の司法記者クラブ

 親権は、未成年の子供に対して父母が持つ権利や義務で、日常の世話をする「監護」や「教育」のほか「財産管理」などが民法で定められている。婚姻中は原則父母が親権者となるが、離婚した場合、日本は一方を親権者に定める「単独親権」を採っている。

 このため日本では親権を失った別居親が子育てにほとんど関われなくなるケースも少なくない。離婚時に別居親と子供との面会交流の取り決めを父母間で交わしても、多くは月に1回程度。親権者の意向でさらに制限されることもある。

 一方、欧米では離婚後も両親が親権を持つ「共同親権」制度を採用している国が多い。欧米などでは、子供の利益のため離婚後も面会交流や養育費負担などのルールを裁判所で決め、父母が共同で子育てを担う。

 ただ家庭内暴力(DV)がある父母や対立が激しい父母間では、共同親権を採れば離婚後も子育てで関係を続けなければならず、現行制度の変更に、慎重な意見もある。

 法務省は今年、世界24カ国の親権制度の実態を調査。今月には、選択制による共同親権の導入の是非など、離婚後の子供の養育について議論する研究会を発足させた。研究会は1年以上かけ報告書をまとめる。

 森雅子法相は、12日の参院法務委員会で「一般論では離婚後も父母の双方が養育に関わるのは、子供の利益の観点から非常に重要。子供の利益が不当に侵害されないよう多様な意見に耳を傾けたい」と述べた。(加藤園子)



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