世論の逆風が吹き止まぬ中で“モノ言う株主”から経営体制の刷新を求められている、フジテレビ。親会社の金光修社長(70)の退任が決まり、信頼回復に向けて一歩前進したかと思いきや、今度は改革をリードしていたはずのフジの社長、清水賢治氏(64)が“余計な本音”を口にし、社員からあきれられている。
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金光氏の退任に社員は安堵
フジの親会社、フジ・メディア・ホールディングス(FMH)は先月30日、金光社長が6月の株主総会後に退任すると発表した。
「大株主の米投資ファンド、ダルトン・インベストメンツの要求に抗えなかったとみられています。金光氏は株主総会後、代表権のない会長に繰り上がる予定でしたが、ダルトンは彼を旧体制の“残滓(ざんし)”と指弾。退任を要求してきました。他にも不動産事業の分離などさまざまな提案を受けて防戦一方のフジ側は、株主総会の前に金光氏の退任を発表し、少しでも付け入られる隙をなくそうと考えたのでしょう」(経済部記者)
FMHとフジはいわゆる“中居問題”を受けて3月27日、役員の人事案を発表した。その内容は、FMHの金光社長とフジの清水社長を除き、すべての社内出身の取締役を入れ替える大胆なものとなっていた。
フジの社員によれば、
「相談役取締役を務めてきた日枝久(ひえだひさし)さん(87)が築き上げた旧体制からの脱却が、最大のテーマでしたからね。人事案はおおむね好意的に受け止められました。しかし、日枝さんと近い金光さんが残留する理由を、会社はきちんと説明しませんでした。結果、内外から彼の処遇を批判する声が上がってしまった。今回、ようやく退任が決まり、社員たちはホッとしています」
清水社長の“構想”
一方の清水社長は、改革のリーダーとして期待されてきたという。
「今年1月、港浩一さん(72)に代わって新社長に就任した清水さんは『ちびまる子ちゃん』などのアニメをプロデュースしたことで有名です。“中居問題”の温床となったバラエティー番組の制作現場とは、ほぼ無縁の経歴を歩みました。温厚な性格で雰囲気も柔和。フジの新しい顔にうってつけだという評判です」(前出のフジ社員)
ところが今月1日、まさかの“構想”を漏らしてしまった。
「フジはこの日の夕方から、全社員を対象にリモートで説明会を開きました。前日、金光さんの退任発表に加え、改革に向けた具体案を総務省に提出したからです。清水さんは事前に募集した質問に答える中で、退任した取締役について“申し訳ないことをしたと思っています。彼らを社会に放てない。グループ会社に残ってもらうことがあるかもしれません”と、天下りを示唆したのです」(同)