「そうだね。わしの父親の弟だね」19歳でサメに脇腹を食いちぎられ…“連続人食いザメ事件”被害者の親族女性が語ったこと


【画像】サメの襲撃に遭い、亡くなった久野久芳さん(当時19歳)の姿

 名古屋から“一番近い島”として知られる、愛知県・日間賀島(ひまかじま)。この周辺の海域で、12年のあいだに8件のサメによる襲撃があり、襲われた全員が死亡しているという。この知られざる「人食いザメ事件」はなぜ起きたのか? “漁師の島”に今も暮らし続ける、被害者の親族に話を聞いた。(全2回の2回目/ #1 から続く)

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まさか被害者の親族につながるとは…

 日間賀島観光協会のIさんは、ライターである私からの問い合わせを受けて、知人や親類に片端から聞き込みをしたという。その中で、漁師をしているご主人の母の姉にあたる方が、まさにサメに襲われた被害者の親族だったというわけだ。そのことはIさん自身、今回初めて知ったという。

 まさか被害者の親族につながるとは……。思わず「本当ですか!」と前のめりになった。

「そうだね。わしの父親の弟だね」

 Iさんの案内で日間賀島の海水浴場からほど近い一軒家を訪ねた。

「そんな遠くからわざわざこんなお婆さんの話を……まぁ、楽にしておくんな」

 今年75歳になるというこすゑさんは、そう言って自宅の居間に私を招き入れてくれた。

 いきなり「サメの話を聞きたい」と訪ねてきたライターを不審がることもなく、「わしが生まれるずっと前のことだで……わからんがね」と言いながらも、取材に応じてくれた。

「ここらへんはみんな“くぐりさ(潜水漁)”で、タイラゲ(平貝)とかテングサ(天草)とかいろんなものを獲って、それで生活しとったみたいで」

――お父様も漁師だったんですか?

「そいだよ。小せぇ船をこしやって(造って)、やうち(みんな)でおき(漁)に出とっただけどね。そんなに(沖の方へは)出ない。島の近いところでやってた」

――サメの被害に遭われたのは、叔父さんにあたる方と聞きました。

「そうだね。わしの父親の弟だね。会ったことはないけどね」



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