砂川飲酒運転事故から10年 加害者たちの「事故直前の行動」

2015年6月6日、北海道砂川市で発生した飲酒運転事故は、日本社会に大きな衝撃を与えました。軽ワゴン車に乗っていた一家5人のうち、両親と長男、長女の4人が死亡し、九死に一生を得た次女も重い障害を負うという、あまりにも痛ましい悲劇でした。しかも加害者の男2人は、酒を飲んだ上で、レースのように競い合いながら時速100キロを超える猛スピードで走行していたのです。幸せな一家が一瞬にして崩壊した理不尽な事故に対し、世間からは激しい怒りの声が上がりました。発生からちょうど10年となる今、この事故の背景と、加害者たちに下された裁きを振り返ります。本稿では、事故直前の加害者たちの行動に焦点を当てます。

事故直前、彼らは何をしていたのか

事故が発生する直前、加害者であるT(当時27歳)とK(当時26歳)は何をしていたのでしょうか。2015年6月6日午後7時頃、砂川市内で建設業を営むTは友人2人と共に、地元の飲食店街にいました。Tは自身の愛車、黒いBMW X5を空き地に停め、友人たちと焼き鳥店で飲んでいました。彼らは向かいにある馴染みのスナックの席が空くのを待っていましたが、店が混雑していたため、別の店へ「はしご」することにしました。

北海道砂川市の飲食店街 飲酒運転事故加害者らが事故直前に滞在北海道砂川市の飲食店街 飲酒運転事故加害者らが事故直前に滞在

約8キロ先の滝川市へ向かう

焼き鳥店にいたTとその友人たちに合流したのが、遊び仲間のKら2人でした。Kもまた自身の愛車、ダイダイ色のシボレーC1500に乗ってきていました。常連として通っていたスナックが満員だったため、彼らはそこから約8キロ離れた滝川市にある別の馴染みの店へ行くことを決めます。5人はTとKがそれぞれの車を運転することになりました。Tは焼き鳥店で焼酎の水割りを数杯飲んでおり、Kも合流前にビールのジョッキ1杯を空けていたといいます。飲酒運転の上、異なる車に分乗して他の店へ移動するという、悲劇につながる行動がこの時すでに始まっていました。

こうして、酒を飲んだTとKは、友人たちと共にそれぞれの車に乗り込み、砂川市から滝川市へと向かいました。この直後の彼らの危険な運転行為が、一家5人の尊い命と平穏な日常を奪う悲惨な事故につながったのです。次回の記事では、この飲酒運転事故の加害者たちに下された裁判の結論について詳述します。

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