【ワシントン=阿部真司】米国のトランプ大統領は12日、ロシアとウクライナの和平交渉を巡り、プーチン露大統領が提案したトルコ・イスタンブールでの15日の直接協議について、自らも協議に出席することに意欲を示した。ホワイトハウスで記者団に語った。米CNNは13日、中東歴訪中のトランプ氏のトルコ入りは露側の出席者次第だと伝えており、プーチン氏の対応が焦点となっている。
トランプ氏は「もし役立つと思えば、(トルコに)飛んでいくつもりだ」と述べ、状況によっては協議に加わる可能性を示唆した。ロイター通信は、米側から、中東担当特使のスティーブン・ウィトコフ氏とウクライナ特使のキース・ケロッグ氏が協議に参加する方向で調整が進められているとも報じた。
ウクライナ側はプーチン氏を交渉に引きずり出そうと迫っている。同通信によると、ウクライナのミハイロ・ポドリャク大統領府顧問は、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領が「プーチン氏以外の露政府代表とはイスタンブールで会談しない」と明言した。
ウクライナの英字ニュースサイト「キーウ・インディペンデント」によれば、ゼレンスキー氏は13日の記者会見でトルコの首都アンカラでタイップ・エルドアン大統領と会談するとしつつ、「我々はトルコでプーチンを待つ」とも述べ、場所を問わずプーチン氏と首脳会談に応じる用意があると強調した。
露側は、高官級協議を想定していた模様で、首脳会談の逆提案に沈黙を続けている。ドミトリー・ペスコフ露大統領報道官は13日の記者会見で「(プーチン)大統領が必要と判断した時に出席者を発表する」と述べるにとどめた。