【サンパウロ共同】清貧な暮らしぶりから「世界一貧しい大統領」として知られたウルグアイのホセ・ムヒカ元大統領が13日、死去した。89歳。地元メディアが報じた。
「ペペ」の愛称で知られ、報酬の大半を寄付して自身は農場で暮らすなど質素な生活ぶりが日本でも人気を呼んだ。
1935年5月首都モンテビデオ生まれ。60年代に社会主義思想に傾倒。極左ゲリラ組織、民族解放運動(トゥパマロス)メンバーとして政治家誘拐などに関与、85年の軍政終了まで10年以上投獄された。95年以降、下院議員や上院議員、農牧・水産相を歴任。2010~15年大統領を務めた。上院議員だった20年、高齢などを理由に政界引退を表明した。
24年4月に食道に腫瘍が見つかった後も、後継オルシ現大統領の選挙活動を支援するなど精力的に活動した。25年1月にがんが肝臓に転移したことを公表。以降は治療を受けず、自宅で静養していた。
12年、ブラジルで開かれた国連持続可能な開発会議で「貧乏な人とは無限の欲があり、いくらモノがあっても満足しない人のことだ」と演説した。